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更新日:2018年9月11日

10月27日~12月9日開催 特別展「百花繚乱 浮世絵十人絵師展」

百花繚乱浮世絵十人絵師展10月27日12月9日まで近代図書館美術ホールで開催 

ごあいさつ 絵師紹介 大_展示作品 開催概要

 

 

ごあいさつ

江戸庶民の生活や風俗をはじめ、人気の役者や名所旧跡を描いた「浮世絵」は、日本が世界に誇る芸術であり、現代に至るまで多くの人々を魅了し続けています。個性を競い合い、伝統と技術を脈々と受け継ぎながら常に革新し続けた浮世絵界において、数多くの優れた浮世絵師が誕生し、黄金時代を創りあげました。本展覧会では、錦絵が誕生した江戸時代中期から幕末にかけて、その中心的役割を担った十人の浮世絵師を紹介します。多彩な作品を通して、浮世絵の真髄と醍醐味に迫ります。

 

絵師紹介

鈴木春信(すずきはるのぶ)1725頃-1770

「ミスお江戸」とよばれた笠森お仙や本柳屋お藤など評判の美人たちを、ロマンティックで幻想的な少女像として描き、春信は絶大な人気絵師となった。
明和2年(1765)「絵ごよみ」(カレンダー)がブームとなる。仕掛人は旗本の大久保甚四郎で、春信を「絵ごよみ」の絵師に重用すると、そのロマンティックな少女像が大いに受けた。春信は、特に見立絵という手法を使い、古典、故事、伝説、和歌、文学などの主人公を当世風俗の女性にすり替え絵画化した作品を多く手掛け、浮世絵に見る楽しみだけでなく、高尚で知的な遊び心を組み込んだ。

鳥居清長(とりいきよなが)1752-1815

清長が描く女性は、スラリとした長身のプロポーション。健康的な色香、粋な着こなし、八頭身スタイルの女性たちの町行く姿は、まるでファッションショーである。清長は、江戸女性の理想像を追及し、芸者や家庭の婦女、職業婦人たちを気品高く表現した。
また、歌舞伎役者絵の四代目鳥居家の家元として、「出語り図」のような新機軸の役者絵も描いた。

東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)不詳-不詳

寛政六年五月、版元の蔦屋(つたや)から突如デビューして、144図もの役者絵や相撲絵を発表し、その翌年1月にこつ然と消えてしまった。その門歴や素性は不明で、多くの謎は明らかでない。
大きなギョロ目、わし鼻、おどけたポーズ、迫真の演技の一瞬を見事に表現した役者絵に目を見張る。大首絵の背景に施された豪華な黒雲母摺(くろきらず)りは、深層心理を倍加させている。約10か月の作画期で、画格の変化や取材狂言の上演時により4期に分けられているが、フルネーム「東洲斎写楽」が、第3期以降は「写楽」のみとなる。

喜多川歌麿(きたがわうたまろ)1753頃-1806

成熟した女の色香を絵のなかの女性像に映して、爆発的な人気を博し、「美人画といえば歌麿」といわれた。吉原遊女をはじめ、「ミスお江戸」とよばれた寛政期の美女たち。青楼太夫から岡場所の遊女、街娼、気品あふれる上臈(じょうろう)、さらに貴婦人から下町の芸者、茶屋娘、あるいは家庭の婦女、母子、江戸のアイドル金太郎と山姥(やまうば)にいたるまで、女性風俗のすべてを網羅した。また、歌麿の創案による大首絵や豪華な雲母摺りは、浮世絵の大革命であった。晩年になると写実性が高まり、現実的で退廃的な傾向が色濃く帯びた女性像を描いた。

葛飾北斎(かつしかほくさい)1760-1849

印象的なプロポーションの「赤富士」、奇抜ともいえる大胆な構図の「波富士」は、造形の極致を見る強烈な印象を与え、西洋の人々に不滅のイメージを残した。≪冨嶽三十六景≫のシリーズは、崇拝される対象である富士山をめぐる自然の風物、四季や気象の変化が劇的に描きわけられている。
新しく「風景画」のジャンルが確立したことで、沈滞気味の幕末浮世絵界に新風を吹き込ませ、広重とともに、世界的名声を得たことは特筆される。

歌川豊国(うたがわとよくに)1769-1825

芝居に不況の波が押しよせた時、いち早く役者絵≪役者舞台之姿絵≫のシリーズを描き、写楽の出現のきっかけを創ったとされている。若き時代は、清長や歌麿の美人画を倣い、晩年は、女形の妖艶美を美人画に導入して、怪しく色っぽい、したたかな美人画を描いた。それがかえって、「粋」で「あだっぽい」艶侠美を生み出し、化政デカダンスの美人の理想像として定着した。また、紅嫌いの「紫絵」を得意としたことで知られている。
門人の国貞や国芳たち逸材を擁し、「歌川派に非ずして浮世絵師に非ず」といわしめた歌川派の総帥。

歌川国貞(うたがわくにさだ)1786-1864

デビュー時は、役者絵で名を上げ、その活躍ぶりに師匠の豊国も目を見張る。美人画では男と女の情念の世界を見事に描き、文化文政期の美人画を完成させた絵師の代表格である。実力と人気で、三代豊国を襲名する。作画期も長く遺作も多い。
晩年の錦昌堂奉書判大顔役者絵では、摺(す)り、彫り、色彩のすべてで技巧を凝らし、浮世絵木版画の完成度を示した実力派の人気絵師である。

歌川国芳(うたがわくによし)1797-1861

三枚続きのワイド画面に、巨大な妖怪と宮本武蔵や金太郎たちスーパーヒーローとの死闘や水滸伝(すいこでん)の豪傑たちの活躍を描いた。映画やテレビがなかった時代に、曲亭馬琴(きょくていばきん)や講談などの痛快な冒険物語を具現化して、江戸の人々を熱狂させた奇想の絵師。反逆的精神旺盛な幕政批判のパロディ、小さな人の集合体で構成された、シグゾーパズルの人間の顔。新鮮な感動とともに現代感覚の先駆け的な役割を果たしたことが、江戸の劇画家といわれるゆえんである。

溪斎英泉(けいさいえいせん)1791-1848

若いころの英泉は、師匠の菊川英山を倣って、気品あふれる艶姿の美人画を受け継いでいる。初期の美人画は優品ぞろいで、特に大首絵は国貞を凌駕するものがある。
私生活は士分でありながら不運に見舞われて奇行に走り、放蕩生活を送った。晩年は娼楼の亭主となり、底辺で生きる遊女の生きざまを映しだした作品を描いている。晩年、猫背デカダンスの肉感的な遊女絵が多いのは、そのためであろう。
また、北斎に私淑して洋風の風景画を学び、北斎を踏襲した作品を残している。

歌川広重(うたがわひろしげ)1797-1858

≪東海道五十三次≫のシリーズは、単なる風景画ではない。人間が主役である。気象の変化、旅人の哀歓、村人たちの生活が巧妙に織り込まれ、臨場感あふれる宿場人間模様図絵である。浮世絵界最大のヒット作となった晩年の名作≪名所江戸百景≫は、ふかん図を用いたり近景と遠景を強調させたりと斬新な構図で、江戸の市中を描いた気宇壮大な風景画である。広重は、日本風土に美しさを求めて旅し、四季折々の自然の風物や庶民人情を詩情豊かにうたいあげた。
また、初期の美人画は珍しく、歌川派独特のデカダンスの色濃い画風をみせている。

絵師紹介の文章は図録「浮世絵十人絵師展」(2017年アートシステム)を参考に作成

 主な展示作品

鈴木春信

鈴木春信

風流江戸八景浅草晴嵐

明和5-6年(1768-69)頃

 

竪中判錦絵、版元不詳

 

 

鳥居清長

鳥居清長

当世遊里美人合㕚江涼

天明(1781-89)前期

 

 

大判錦絵(二枚続の内一枚)、版元不詳

 

 

 

東洲斎写楽

東洲斎写楽

二代目嵐龍蔵の金貸石部金吉

 

 

寛政6年(1794)

竪大判錦絵、版元:蔦屋重三郎

喜多川歌麿

喜多川歌麿

五人美人愛敬競兵庫屋花妻

寛政7-8年(1795-96)頃

 

 

竪大判錦絵、版元:近江屋権九郎

 

 

 

葛飾北斎

葛飾北斎

冨嶽三十六景神奈川沖浪裏

天保2年(1831)頃

 

 

横大判錦絵、版元:西村屋与八

 

 

 

歌川豊国

歌川豊国

三代目沢村宗十郎大星由良之介

寛政8年(1796)

 

 

竪大判錦絵、版元:上村与兵衛

 

 

 

歌川国貞

歌川国貞

大當狂言之内極付幡随長兵衛

文化11-12年(1814-15)頃

 

 

竪大判錦絵、版元:川口屋宇兵衛

 

 

 

歌川国芳

歌川国芳

相馬の古内裏

弘化2-3年(1845-46)頃

 

 

大判錦絵三枚続、版元:八幡屋作次郎

 

渓斎英泉

溪斎英泉

美艶仙女香夜鷹

文政6-7年(1823-24)頃

 

 

竪大判錦絵、版元:和泉屋市兵衛

 

 

 

歌川広重

歌川広重

名所江戸百景大はしあたけの夕立

安政4年(1857)

 

竪大判錦絵、版元:魚屋栄吉

 

 

歌川国芳

歌川国芳

縁台美人(肉筆画)

 

文政10年~文久元年(1827-61)頃

 

 

絹本着色一幅

 

葛飾北斎「猿」

葛飾北斎

猿(肉筆画)

 

 

文化期(1804-18)頃

 

紙本着色一幅

 

 

開催概要

会期

平成30年10月27日(土曜日)~12月9日(日曜日)
10時~18時(入場は17時30分まで)

休館日

月曜日、11月3日(土曜日・祝日)

会場

唐津市近代図書館美術ホール

主催

唐津市近代図書館

特別協力

朝比奈文庫、光ミュージアム

企画協力

アートシステム

入場料

一般500円
・唐津市内の75歳以上の人250円(唐津市のシルバーカードや健康保険証などを提示)
※有料入場者20人以上の団体は2割引き

・高校生以下の人は無料
・障がい者手帳を持っている人と同行者1人は無料(障がい者手帳を提示)

※小中学校、高校、高齢者施設などからの団体観覧は、入場料の減免が適用されます。
団体観覧を希望の学校・施設は近代図書館まで問い合わせてください。

チラシ

「百花繚乱浮世絵十人絵師展」チラシ(後日掲載します)

関連イベント

・講演会「私が選ぶ十大絵師」(申込、聴講料不要)

講師:中右瑛(なかうえい)さん(本展監修、国際浮世絵学会常任理事)
とき:平成30年11月25日(日曜日)14時~15時30分
ところ:唐津市近代図書館4階会議室


・学芸員によるギャラリートーク(申込不要、要入場料)


とき:平成30年11月11日(日曜日)・23日(金曜日・祝日)、12月9日(日曜日)14時~14時30分
ところ:唐津市近代図書館美術ホール


 

 

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問い合わせ

近代図書館学芸係

佐賀県唐津市新興町23番地

電話番号:0955-72-3467