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更新日:2015年8月6日

文学に「松浦佐用姫(まつらさよひめ)」を見る

『肥前風土記』と『万葉集』ほか

松浦佐用姫は、肥前の国に伝わる伝説の主人公でした。

宣化(せんか)天皇2年(537)大伴狭手彦(おおとものさでひこ)は朝廷の命を受け、任那・百済を救援するため、軍を率いてこの松浦の地にやってきました。狭手彦は名門大伴氏の凛々(りり)しい青年武将でした。

物資の補給や兵の休養のため、しばらく松浦の地に軍をとどめている間に狭手彦は土地の長者の娘の「佐用姫」と知り合い夫婦の契り(ちぎり)を結びました。

やがて狭手彦出船の日、別離の悲しみに耐えかねた佐用姫は鏡山へ駆け登り、身にまとっていた領巾(ひれ)を必死になって打ち振りました。

軍船は、次第に遠ざかり小さくなっていきました。狂気のようになった佐用姫は、鏡山を駆け下り栗川(くりがわ=現在の松浦川)を渡って海沿いに北へ向かって走って行き、やがて加部島(かべしま=呼子町)の天童岳の頂き(いただき)に達しましたが、遂に舟が見えなくなるとその場にうずくまり、七日七晩泣き続けてとうとう石になってしまったと言われています。

『肥前風土記』では石にならない!

佐用姫伝説に関する話が最も古く文献に現れるのは、奈良時代初期に編まれた『肥前風土記』です。この『肥前風土記』に書かれている弟日姫子(おとひひめこ・佐用姫のこと)の佐用姫伝説は、今日私達がよく耳にする佐用姫伝説と違いがあります。

今日伝えられている話では、佐用姫は石になってしまうのですが『肥前風土記』には佐用姫石化の話は出てきません。鎌倉から室町にかけて、佐用姫が悲しみのあまり石になってしまったという「佐用姫石化伝説」が形づくられていったと考えられています。

万葉集に詠まれた佐用姫

『肥前風土記』とほぼ同じ時代に成立した『日本書紀』には、大伴狭手彦の朝鮮出兵の事のみ記されていて佐用姫については何の記述もありませんが、『万葉集』には佐用姫伝説について次の七首の歌が掲げられています。

  • 松浦縣佐用比売(まつらがたさよみめ)の子が領巾振(ひれふり)し、山の名のみや聞きつつ居(を)らむ
  • 遠つ人松浦佐用比売夫(つま)恋に、領巾(ひれ)振りしより負へる山の名
  • 山の名と言ひ継(つ)げとかも佐用比売が、この山の上(へ)に領巾を振りけむ
  • 万代(よろづよ)に語り継げとしこの嶽(たけ)に、領巾振りけらし松浦佐用比売
  • 海原の沖行く船を帰れとか、領巾振らしけむ松浦佐用比売
  • 行く船を振り留(とど)みかね如何(いか)ばかり、恋しくありけむ松浦佐用比売
  • 音に聞き目にはいまだ見ず佐用比売が、領巾振りきとふ君松浦山

『万葉集』の成立は、およそ八世紀後半と考えられています。『風土記』が成立した八世紀前半から、わずか数十年間で佐用姫伝説は醜い(みにくい)部分を切り捨て美しい愛情物語として万葉集に登場してくるのです。

その他に「松浦佐用姫」は下記の文学などにも登場します。

  • 『千載和歌集』巻14、恋歌4
    「木のまより頒巾振る袖をよそに見て、いかがはすべき松浦さよ姫」
    藤原基俊
  • 『謡曲』俊寛
    「もとの渚にふれ伏して、松浦佐用姫も、わが身にはよも増さじと、声も惜しまず泣き居たり」
    -特赦に、成経と康頼の二人の名があったが、俊寛の名はなく、一人島に残された。その時、「松浦佐用姫も今の自分の嘆きによもや勝るまい」と。-
  • その他、『源平盛衰記』『平家物語』『仙覚全集』『和漢朗詠集』『曽我物語』『梵灯庵主袖下集』『松浦佐用媛石魂録(滝沢馬琴著)』『若菜集(島崎藤村著)』『紀行文(五足の靴)の唐津』『明星10号、頒巾振山(平野萬里)』「漢詩岩石碑(広瀬淡窓)』『望夫石(野口雨情)』等々、列挙にことかかない。

地図・写真・統計資料など

呼子町加部島の佐用姫像

呼子町加部島の佐用姫像

国道203号沿いの「道の駅、厳木」に立つ高さ12mの佐用姫像

国道203号沿いの「道の駅、厳木」に立つ高さ12mの佐用姫像

鏡山山頂にある唐津焼の佐用姫

鏡山山頂にある唐津焼の佐用姫

博多人形の佐用姫

博多人形の佐用姫

(『唐津探訪』より)

引用・参考文献(出典)

  • 『鏡山と万葉・松浦佐用姫伝説考、唐津万葉の会』岸川龍著

参考文献について

参考文献については、近代図書館が所蔵している資料もあります。

資料についての問い合わせは近代図書館までお願いします。

電話番号:0955-72-3467

文学に「松浦佐用姫(まつらさよひめ)」を見る

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