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更新日:2015年8月6日

刀工

百練の精をこらした鉄の芸術―唐津刀

唐津地方には、室町から江戸期にかけて浜玉地方の砂鉄によって刀が作られた記録が残されています。
わが唐津には天下の名刀、古今の業物(わざもの)を残した名刀工は残っていませんが、百練の精をこらした鉄の芸術―唐津刀が残されています。現在まで古刀に属する刀工7人、新刀8人、新々刀2人が数えられ、浜崎、玉島あたりの砂鉄をもって、幾多の神秘な輝きと、優雅な美しさを誇る3尺の秋水を生みました。そして焼刃の「におい」の中に、雲の流れ、遥かな山波、岩に砕ける怒濤(どとう)、春風に静かに匂う花などの自然美を「鉄の芸術」として打ち込んでいます。
興亡盛衰(こうぼうせいすい)の歴史に彩られた幾多の名将、武人の花の宴、戦場の争闘の物語を秘めた白刃という、生死絶対の場に織りなされた人間の愛憎、哀歓の歩みは、民族の歴史の一面を偲ばせるとともに、郷土の叙情(じょじょう)詩でもあります。

古刀(室町時代)

  • 重次―文明の頃、浜崎に住し、銘は「肥前浜崎住重次」と彫っています。
  • 貞清―永正の頃、浜崎に住し、銘は「浜崎太郎左ヱ門貞清」と彫ります。
  • 重退―大永の頃、浜崎に住し業物を造っているっ銘は「肥州浜崎住重進」と彫ります。
  • 重則―大永享禄の頃、浜崎に住し、備後にも住みました。銘は「肥前浜崎住重則」と彫ります。
  • 重方―享禄の頃、浜崎に住し業物を造りました。銘は「肥州浜崎住重方」と彫っています。
  • 重延―享禄の頃、同じく浜崎に住みます。銘は「肥前浜崎住重延」と彫っています。
  • 重貞―天文の頃、同じく浜崎に住み、銘は「肥前浜崎住重貞作」と彫ります。

新刀(江戸時代)

  • 綱慶―寛文の頃の人で、佐賀に生まれ、のち唐津に来住しました。後年、芸州広島城下中島に移住し、五兵衛としました。銘は「於肥前唐津源綱慶作」と彫っています。
  • 国慶―延宝の頃の人で、長崎でも刀を造っています。銘は「於肥前唐津源国慶造」または「肥前国住佐々木平馬尉国慶」と彫っています。
  • 初代本行―豊後藤原、高田より出て、紀の行平の末裔(ばつえい)としました。それで、初銘は「行平」と彫っています。延宝年中肥前唐津に移住し、代々唐津に住みました。後年、東武へ下り、麻布鷹石に住居し本阿弥家より「本」の文字を授かって本行と改名しました。その頃、相州鎌倉へ往来して綱広の門に入り、鍛刀法(たんとうほう)を改修して、唐津に帰郷しました。1名「松葉本行」と称え、「本行」の本の字を壊し松葉のごとく彫る事からこの名が出た物です。享保の始め80余歳で、亡くなりました。この人は銘に文章を彫る事を好んだ人で、さまざまの銘文があります。初めは「高田河内守源本行」と彫り、のちには「豊後太郎本行」と切っています。裏銘に「於肥前唐津梅豆羅郷玉島川泙(ほう)」や「豊後太郎本行70余歳造羊漸刀作自己消光」等の銘があります。
  • ニ代本行―享保、元文頃、唐津に住みました。銘は「河内守源本行」と切っています。
  • 三代本行―宝歴の頃、唐津に住みました。宝歴13年、土井家総州古河に移封となった時、従って古河に移住しました。銘は初め「肥前唐津住河内守源本行」と彫り、または「高田河内守源本行」と切っています。後年、転任して「肥前守源朝臣本行」と切りました。
  • 四代本行―総州古河にて業をかえ、医師となり刀工の家系断絶しました。
  • 尚行―延宝年中より、元文年間にかけて唐津に住み、紀の行平の末流としました。直行の養父です。銘は「豊後高田住藤原尚行」と彫り裏銘に「住唐津」と切りました。
  • 直行―元文、宝歴の間唐津に住し、本行の次男にして尚行の養子となります。老後は、有徹と号し大和守に任せられました。銘は「豊後国鬼鏡直行造之」または「於肥前唐津直行造」「鬼鏡有徹」「肥前唐津住虎徹」とも切っています。裏銘には「以南蛮鉄鍛之」など色々の銘を切っています。
  • 秀光―嘉永の頃江戸より唐津に移住した人で、銘は「武蔵太郎秀光」と切ってあります。
  • 正景―明治の頃の人と思われますが、銘に「肥前唐津住正景」と切ったものがあります。

地図・写真・統計資料など

松葉本行の碑

松葉本行の碑

刀、2尺3寸3分

刀、2尺3寸3分

(『末盧國』より)

引用・参考文献(出典)

  • 『唐津市史』P830
  • 『浜玉町史』
  • 『末盧国』(第10号、第18号、第19号、第20号)

参考文献について

参考文献については、近代図書館が所蔵している資料もあります。

資料についての問い合わせは近代図書館までお願いします。

電話番号:0955-72-3467

刀工

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問い合わせ

文化振興課 

〒847-8511 佐賀県唐津市西城内1番1号

電話番号:0955-53-7129