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更新日:2018年9月5日

市民厚生委員会行政視察報告書(平成30年度)

1参加委員

馬場幸年委員長、冨田幸樹副委員長

酒井幸盛委員、伊藤泰彦委員、青木茂委員(5期)、水上勝義委員、宮本悦子委員

2視察日

平成30年7月11日(水曜日)から12日(木曜日)まで

3視察概要・所感

(1)視察項目:マイナンバーカード交付促進の取り組みについて視察先:宮崎県都城市

概要

都城市は、宮崎県と鹿児島県の県境に位置し、宮崎市に次ぎ県内第2の人口を擁する主要都市である。かつては薩摩藩領であったため、鹿児島弁に極めて近い諸県弁を話すなど、薩摩の文化を色濃く残している。
主な産業は、農業と農産物加工業を中心とした製造業である。農林水産省統計の「市町村別農業産出額合計」および「専業農家数」で全国2位となっており、特に「市町村別農業産出額畜産計」が全国1位であることから、「肉と焼酎のまち」と銘打ち、平成26年10月からふるさと納税の返礼品を大幅に拡充したことで、ふるさと納税額が平成27・28年度の2年連続で日本一となった。
都城市において実施されているタブレットを活用したマイナンバーカード申請補助の取り組みが、総務省主催の「マイナンバー・マイナンバーカード広報大賞」で入選し、平成29年2月10日に表彰を受けている。
受賞内容は、広報企画「タブレット活用型マイナンバーカード申請補助」で、受賞理由は、制度開始当初からタブレット端末の機能を生かした無料写真撮影サービス及びオンラインでの申請補助を実施することで、住民と対話する機会を創出し、丁寧な説明を通して制度への不安を払拭するという市独自の普及促進活動を展開しているところである。
この都城方式といわれる申請補助により、都城市の平成30年6月末時点のマイナンバーカード交付率が29.6%となり、全国1位となっている。

所感

都城市の取り組みは、住民基本台帳カード交付率の低迷から、普及の阻害要因を分析し、制度やカードへの不安、困難な写真撮影などの課題に対応するため、マイナンバーカードの普及促進体制として、企画・広報・営業を総合政策部総合政策課が担い、申請補助・受付・交付を市民生活部市民課が担うというように部局横断的に行われている。

都城方式の申請補助は、平成27年のマイナンバー制度施行時から行われており、住民と対話する機会を創出し、丁寧な説明によって制度への不安を解消することに重点が置かれていた。

また、マーケティングを意識して対象者ごとに対応し、高齢者には公民館、家連れには商業施設、マイナンバーカードの申請割合が特に少ない就業者層には企業を巡回するなど、説明会と一体型の申請補助を実施するという攻めの姿勢が見受けられたところである。

周知についても、電子確定申告での利用促進のために税務署での広報や、運転免許証の自主返納後に身分証明書として使ってもらうため、警察署や運転免許センターとの連携が図られていた。

さらには、マイナンバーカードを所持するメリットが必要であるとして、各種証明書のコンビニ交付サービスや、庁舎内においてはマイナンバーカードを利用することで申請書の記入が不要となる「らくらく窓口証明書サービス」を導入しているほか、金融機関における金利優遇制度など、マイナンバーを提示することに違和感がない施設において、連携したサービスを実施することで普及促進を図りつつ、協力企業にも有益な施策を展開されていた。

こうしたことは、企画・広報・営業を総合政策課が協働することで、担当するさまざまな業務にマイナンバーカードを活用することを考えながら従事しているから実現できているとのことであり、将来、マイナンバーカードを使わざるを得ない状況を想定した取り組みが行われていることがすばらしいと感じるとともに、唐津市の業務のあり方にも非常に参考になると考える。

マイナンバーカードの普及率が上がるとカードの更新事務にも人員や窓口が必要となるため、都城市では事務の平準化を念頭に考えながら業務を行われており、これまでは特設会場としていたものを、今年度から地下に常設のマイナンバー分室として8窓口設置している。

現在、国においては、自治体のボランティアポイントや健康ポイント、民間のマイレージポイントなどを地域経済応援ポイントとして合算し、地域の消費拡大につなげるマイキープラットフォームが推奨されており、都城市も導入されている。マイナンバーカードを活用し、健康保険証や公共施設などのさまざまな利用者カードを1枚にまとめるとともに、地域経済活性化のツールともなるため、唐津市としてもマイナンバーカードの普及促進に取組むうえでは早急に導入について検討されたい。

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視察の様子

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らくらく窓口証明書交付サービス端末

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都城市議会議場

(2)視察項目:みなまたエコタウンプランについて視察先:熊本県水俣市

概要

水俣市は、熊本県の南端、鹿児島県の県境に位置し、日本の地中海とも呼ばれる温暖な日差しによって、山海の幸に恵まれている。

明治41年に日本窒素肥料(株)水俣工場が設立されてからは人口も急速に増加し、工業都市として発展する。昭和31年9月の合併により人口は5万人を超え、市勢は拡大の一途を歩み、同年には水俣港が貿易港として指定されるなど、国際的展望のもとに水俣市発展の転機を迎える一方で、この頃から水俣病が発生し、市民は公害問題に深い関心を寄せるようになる。全市民がこれらの問題解決に努力するかたわら、湯之児病院や水俣病研究センターが建設されるなど、健康福祉都市としての充実が図られる。

平成2年3月に、水俣湾の公害防止事業により、58haの埋立地が完成し、その後、環境と健康をテーマに障がい者をはじめ、誰もが集い憩える緑の公園として「エコパーク水俣」の整備が進められた。

また、水俣には環境を学ぶために、多くの子どもたちが訪れるようになり、さらに、平成13年には国のエコタウンの承認を受け、以後リサイクル関連の企業などの立地が進んだ。

市民一人ひとりが築き上げてきた環境モデル都市づくりが高い評価を受けたことで、平成20年7月には国の環境モデル都市のひとつに認定され、平成23年3月には環境NGOが主催する「日本の環境首都コンテスト」において、日本で唯一の「日本の環境首都」の称号を獲得した。

現在も、環境クリーンセンターがごみの高度分別を主導してごみの減量に努めるなど、水俣病の経験を生かして将来の都市像「人が行きかい、ぬくもりと活力ある~環境モデル都市みなまた~」を目指し、市民一体となってまちづくりを進められている。

所感

水俣市は経済成長の過程で発生した水俣病の教訓をもとに、日本で初めて環境モデル都市づくり宣言を行い、いち早くごみの分別・減量に取り組むとともに、水俣オリジナルの家庭版・学校版等の環境ISO制度、環境マイスター制度、地区環境協定制度などを立ち上げ、リユース・リサイクル、省エネ・省資源、地球温暖化防止活動や環境保全活動に市民協働で取り組まれている。

これらは、多額の経費を必要としない取り組みであり、多くの自治体や環境団体のモデルとなったことが理解できた。

特にごみの高度分別について、燃えるごみと燃えないごみの2品目分別から20品目分別の実施まで、モデル地区からスタートしてわずか半年で水俣市全域で実施されたことは、小規模な自治体ならではであると言える。
この間に、300回以上の説明会を実施するとともに、各地区にリサイクル推進員を委嘱して分類の指導やリサイクル率の向上に努めた行政側の努力も評価できる。

また、水俣病公害防止事業によって完成したエコパーク水俣には、行政主導によりリサイクル関連企業の立地が進んだことで、現在8社9種類のリサイクル施設が稼動しており、地元雇用を創出するとともに産業振興と地域経済の浮揚に取り組まれている。

こうしたことにより、平成3年度と平成29年度を比較して、ごみの総量が10,926tから6,889tに、埋立量が4,013tから540tに、リサイクル率が0%から41.6%と、ごみの削減に高い効果が現れていた。

混ぜればごみ、分ければ資源という合言葉で、住民が肩に力を入れずに分別ができていることがこの削減効果を支えており、ごみの分別により集められた資源物は環境クリーンセンターで売却され、その売却益はリサイクル還元金として各地区に配分されていることも継続の源であるとのことであった。手法はさまざま考えられるが、循環型のまちづくりを市民と協同して進める必要があると感じるところである。

さらに、水俣市におけるごみ削減の特徴的な取り組みとして、生ごみ処理容器「キエーロ」の無償貸与も挙げられる。

「キエーロ」は、中サイズが縦約40cm×横約90cm×高さ約80cmの箱型で、中に土が入っており、キエーロに埋めた生ごみは土の中にいる微生物の働きによって処理されるという仕組みである。

環境クリーンセンターで業務の間に製作され、生ごみ収集免除地域などに優先して配布されており、適切な使用方法を守れば臭いもなく処理できるため、ごみ削減の一助となっている。

以前は唐津市でもコンポストの補助事業が行われていたが、キエーロは個人でも作成することが可能で、日当たりと風通しに気をつければアパートのベランダにも設置できるなど、コンポストに比べて利便性が高いと考えられるため、事業化とはいかないまでも、作成・利用方法の周知については検討の余地があると思われる。

現在、唐津市においては最終処分場の整備が計画されている。ごみ問題に完全な解決方法はないが、対策を講じるべき喫緊の課題であり、水俣市の取り組みを参考に今後とも更なるごみの削減に取り組む必要がある。

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視察の様子

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高度分別モデル

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水俣市環境クリーンセンター

問い合わせ

議会事務局 

〒847-8511 佐賀県唐津市西城内1番1号

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