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更新日:2016年7月7日

公共工事をめぐる不正入札事件に係る特別委員会報告書

目次

  1. はじめに
  2. 特別委員会の設置
  3. 委員会の開催状況
  4. 調査事項とその内容
  5. 再発防止策についての提言
  6. 市議会の対応について
  7. 終わりに

1. はじめに

平成26年10月22日、唐津市が発注した漁港工事にからみ地方公務員法違反(秘密漏えい)の容疑で水産課主査、当事者の市内建設業者社長及び営業課長が同法違反(そそのかし)で逮捕された。

同年11月11日には、逮捕されていた主査が、官製談合防止法違反及び公契約関係競売入札妨害で再逮捕され、同年12月2日に起訴された。

このような中、同年12月3日には、逮捕されていた主査、市内建設業者社長及び営業課長が贈収賄容疑で再逮捕され、事件は、贈収賄事件へ発展していった。

同年12月24日には、唐津市が発注した学校施設の整備工事で入札情報の漏えいがあったとして、官製談合防止法違反及び公契約関係競売入札妨害の容疑で、企画財政部長が逮捕された。

平成27年1月14日には、贈収賄容疑で前企画財政部長、市内建設業者社長及び新たに建設業者副社長が逮捕されるという前代未聞の事態となった。

この様な事態や市民の事件の徹底究明を求める声を受けて、市議会内では地方自治法第100条に基づく百条委員会を設置するという意見もあったが、すでに警察の捜査が入っていることから、議会の行政監視という立場に鑑み、再発防止策を調査する特別委員会の設置を求める声が上がった。

同年1月9日開催の議会運営委員会で協議の結果、再発防止を目的とし「公共工事をめぐる不正入札事件に係る特別委員会」の設置を確認し、議会運営委員会委員長からの報告を受け、唐津市議会議長が唐津市長へ、「特別委員会の設置及び委員の選任について」を付議事件として、臨時会の招集を請求した。

臨時会は、同年1月22日に開催され、公共工事をめぐる不正入札事件に係る問題について、情報収集をしながら、職員と議員の倫理の確立及び今後の再発防止策(入札方法)の検討について、一定の方向性を見いだすことを目的とする「公共工事をめぐる不正入札事件に係る特別委員会」(以下「特別委員会」という。)を10人の委員で設置することを議決した。

臨時会中に、特別委員会を開催し正副委員長の互選を行い、臨時会閉会後特別委員会を開催し、今後の方針・審査事項について協議を行い、特別委員会の調査体制を整えた。

同年2月5日の特別委員会で、事件のこれまでの経過や市が実施した対策等の調査をはじめ、同年3月10日まで、12回にわたり様々な観点からの再発防止策調査を行い報告書にまとめたものである。

 

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2. 特別委員会の設置

(1)設置議決

平成27年1月22日開催の臨時会 同日、特別委員会設置

(2)委員会名

公共工事をめぐる不正入札事件に係る特別委員会

(3)目的

公共工事をめぐる不正入札事件に係る問題について、情報収集をしながら、職員と議員の倫理の確立及び今後の再発防止策(入札方法)の検討について、一定の方向性を見いだすことを目的とする。

(4)委員会の定数

10人

(5)委員長、副委員長、委員の選任

  • 委員長 田中秀和
  • 委員 冨田幸樹
  • 委員 大西康之
  • 委員 水上勝義
  • 委員 平野潤二
  • 副委員長 楢﨑三千夫
  • 委員 伊藤泰彦
  • 委員 中村健一
  • 委員 浦田関夫
  • 委員 中川幸次

 

 

  • 平成27年2月24日
  • 田中秀和 委員辞任
  • 青木 委員選任
  • 楢﨑三千夫 委員長選任
  • 大西康之 副委員長選任

 

 

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3. 委員会の開催状況

日程

名称

調査事項等

平成27年1月22日

第1回特別委員会

場所:第2委員会室

時間:10時6分~10時12分

  1. 正副委員長互選

平成27年1月22日

第2回特別委員会

場所:第2委員会室

時間:14時00分~15時10分

  1. 特別委員会の協議方法について

平成27年2月5日

第3回特別委員会

場所:第2委員会室

時間:10時00分~12時07分

13時10分~13時50分

  1. 唐津市不正入札をめぐるこれまでの経過と対応について
  2. 唐津市の入札制度と他市の入札制度との対比について
  3. 職員アンケートの調査結果について

平成27年2月13日

第4回特別委員会

場所:第2委員会室

時間:14時00分~17時55分

  1. 不正入札事件をめぐるこれまでの経過と対応について
  2. 唐津市の入札制度と他市の入札制度の調査研究について
  3. 職員及び議員の倫理の確立について

平成27年2月19日

第5回特別委員会

場所:第2委員会室

時間:10時00分~12時00分

13時00分~15時00分

  1. 不正入札事件をめぐるこれまでの経過と対策について
  2. 唐津市の入札制度と他市の入札制度の課題の抽出について
  3. 職員及び議員の倫理の課題の抽出について

平成27年2月20日

作業部会

場所:第2委員会室

時間:14時00分~16時00分

第6回特別委員会に向けて

平成27年2月23日

第6回特別委員会

場所:第2委員会室

時間:9時00分~11時15分

13時00分~13時40分

  1. 唐津市の入札制度に係る外部団体からの意見聴取について
  2. 職員及び議員の倫理の課題の取りまとめについて

平成27年2月26日

作業部会

場所:第2委員会室

時間:15時30分~17時30分

第7回特別委員会に向けて

平成27年3月3日

作業部会

場所:第2委員会室

時間:13時00分~15時30分

第7回特別委員会に向けて

 

 

平成27年3月4日

第7回特別委員会

場所:第2委員会室

時間:10時00分~11時15分

行政放送による録画放送

  1. 不正入札事件をめぐるこれまでの経過と対応について
  2. 報告書の取りまとめについての確認

(1)倫理事項について

(2)入札制度について

平成27年3月6日

作業部会

場所:第2委員会室

時間:13時00分~14時30分

第8回特別委員会に向けて

平成27年3月10日

第8回特別委員会

場所:第2委員会室

時間:16時15分~18時10分

行政放送による録画放送

  1. 報告書の最終取りまとめ及び提出方法について

平成27年3月11日

第3回定例会

  1. 報告書提出

 

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4. 調査事項とその内容

(1)職員倫理の確立について

1.唐津市職員倫理行動規準について

今回の事件は、職員の公務員としてのコンプライアンスの欠如によるものと、市長をトップとした組織での、監督責任についてもチェック体制の甘さがあると言わざるをえない。

前回の事件後に作成された『再発防止に係る調査報告書(平成20年9月24日)』中5ページ再発防止策について、(1)不正防止に向けた職場づくりと、職員の意識改革として掲げた職員研修等も、まだ全員に行き届いていない現状である。さらに、上記報告書10ページには「再発防止検証委員会」を設置し、検証を行っていくとあるが現在まで実施されていない。

また、市長の政治倫理については、利害関係者が含まれる企業後援会主催のゴルフ大会に、安易な承諾で「市長」の冠を用い、部長はじめ職員10名が参加した事実がある。併せて、逮捕された建設業者副社長の、古希の祝いの発起人として名前を連ねていた。いずれも、市民から深い不信感を招くことにつながっている。

2.公益通報制度について

前回の事件後設けた、公益通報制度の職員認識は低く、現在まで制度利用は0件で報告されている。この件についても研修や周知と言った部分での不足があった。

3.組織と人事について

平成20年7月に設置したにもかかわらず、危機管理アドバイザー制度については、平成26年4月以降は空席となったままである。

また、平成25年4月より行政のスピードアップを目指すあまり、企画経営部と財務部を統合し企画財政部としたことにより、権限が集中し組織のチェック機能の低下を招いた。

(2)入札制度について

事件発生の背景について

平成19年に発生した入札不祥事件を受けて、平成20年度に入札制度の大幅な見直しが実施された。その主な内容として、指名競争入札から条件付き一般競争入札への変更、電子入札の実施、総合評価落札方式の試行などであった。

しかし、他市に比べ積算などに関し、非公開事項が多いなどの課題は残したままとなっていた。

その後、総合評価落札方式など取り扱いの改正が行われ、総合評価落札方式採用の規準となる、対象工事金額の変更を平成22年に、平成25年には工事金額による取り扱いから、難易度のある工事へと抽象的な取り扱いへと変更されている。その結果、総合評価落札方式の採用が減少し、非公表としている最低制限価格が、落札に絶対的な要因となる価格競争へと移行され、今回の事件の土壌の発生につながった。

調査事項について

入札制度の流れに沿い下記の6項目につき、近隣他市の状況、国土交通省の指導状況などを調査分析し、現状、課題、改善例についてまとめた。

1.指名等審査委員会について

現状

副市長をトップとし、5人の部長で構成されている。

課題

入札方式の決定などを行っているが、協議内容についての議事録が残されていない。

入札方法の決定についての明確な基準が公表されていない。

入札制度についての協議がなされていない。

改善例

協議内容についての議事録の作成。

チェック機能を高める為、第三者による、(仮称)入札監視委員会を設置し、指名等審査委員会の厳格化を図るべき。また、その委員会において定期的に、入札制度に関し、実態に即した見直しを含めた協議を行うこと。

(参考―「地方公共団体における入札監視委員会等第三者機関の運営マニュアル」国土交通省)

2.入札関係情報公表について

現状

各種積算基準、経費率、特殊単価など、予定価格の基礎となる基準が非公表とされている。

予定価格は事前公表されているが、最低制限価格及びその算式については非公表とされている。

課題

予定価格等一連の価格についての根拠が不明なことで、業者からの不信感につながっている。また、不正を招く一因となっている。

改善例

予定価格の基礎となる各種基準の公表。

「発注関係事務の運用に関する指針」国土交通省発刊によると、最低制限価格・予定価格の事後公表を推奨されているが、近隣自治体の現状とも照合し、予定価格は事前公表、最低制限価格は事後公表、最低制限価格算式は事前公表とすること。

3.最低制限価格の決定方法について

現状

企画財政部長が手書きにて作成。算出根拠を示す調書は、シュレッダーで処分されている。最低制限価格は応札終了前に作成されている。応札状況については、電子入札システム(外部)に依頼している為、応札状況については把握できるが、入札金額については開札まで不明。

課題

算出根拠を示す調書が残っていない。

作成時が応札終了前となっている。

改善例

調書と最低制限価格書を共に保管すること。

作成時は入札終了後、開札までの間とすること。

4.等級別入札参加登録業者について

現状

等級の決定方法は、建設業法の審査結果を踏まえた佐賀県の基準を準用されている。ただし、水道については、県の評価点を基に決められている。

課題

指名業者に、市内本店業者以外で、市内に支店・営業所を有する会社も、指名されている。市内本店業者だけでは、特殊性、納期などの問題で対応できない場合、市内本店業者に準ずる業者として指名されている。

改善例

準ずる業者(支店・営業所)についての、唐津市への貢献度など実態調査を行うこと。準ずる業者について、登記簿上の支店・営業所の条件だけでなく、支店の売り上げ・従業員数など、ある一定の基準を定め、指名業者の対象とすること。

5.不正行為に対するペナルティについて

現状

指名停止処分以外、特に設けられていない。

課題

不正の抑止力の為、指名停止処分以上のペナルティが必要である。

改善例

入札談合、独占禁止法違反、一括下請けの禁止については、指名停止プラス違約金特約条例を設け、不正防止へつなげること。

(参考―「公共工事の入札制度の概要」国土交通省)

落札業者に対し、本契約までの間、不正発覚にて指名停止処分などを受けた場合、また、工事期間中に指名停止処分を受けた場合と、各々についての対応を明示すること。

6.総合評価制度(特別簡易型)について

現状

平成20年度から、試行的に導入されている。平成21年度が27件と一番多いが、平成25年度は9件、平成26年度は4件と、件数は減少傾向にある。減少の理由としては、平成22年度に対象設計金額の見直し、さらに、平成25年度には、対象工事の見直しが行われている為である。

課題

業者決定までに2か月半の時間が必要。

現在の制度では、落札業者に偏りが生じる。

改善例

地元企業育成と工事の品質確保の為設けられた制度である。

上記課題を解消し、手持ち工事量を評点に加えるなど、より公平な制度に確立する必要がある。さらに、採用に至る明確な基準の公表も必要不可欠である。実施にあたっては、佐賀県建設工事総合評価落札方式などを参考とし、制度の確立を行うこと。

 

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5. 再発防止策についての提言

(1)職員倫理の確立について

1.唐津市職員倫理行動規準について

職員倫理研修は年間の必修科目とし、定期的な研修を実施し、職員倫理行動規準の利害関係者等との禁止行為と例外行為については、具体的事例による研修、職員アンケートの実施と公表による職員の理解度を高める取り組みが必要である。

また、風通しの良い職場環境づくりとして今日まで実施されている朝礼等は、民間方式を含め各課の業務実態に応じた、実施回数や内容を工夫するなどの見直しを求める。

市長は、市民全体の代表としてその名誉及び品位を害するような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

2.公益通報制度について

公益通報制度では副市長を相談委員や委員長と位置付けているが、職場で問題となっているメンタルヘルス等による職員の休職や、パワハラ・セクハラ等にも対応できる相談員の選定、活用しやすい通報制度とする必要がある。

3.組織と人事について

集約しすぎた企画財政部は、権限の集中により組織のバランスを無くしており、公正で効率的な行政を確保できる組織のあり方について再度検討する必要がある。

現在、空席となったままである危機管理アドバイザー制度については、警察官OBだけに留まらず、県の現職員も含め早急に人選を進め、オープンスペースに設置する必要がある。

また、職場風土の問題として、職場環境の整備に努力されているが、部長室の必要性も含めた、上司や職員間の風通しのよい職場環境づくりを求める。

(2)入札制度について

  1. 入札制度については、佐賀県の入札制度を基本とし、本報告での問題点について早期に対応し、より良き入札制度へ改正すること。
  2. 第三者からなる(仮称)唐津市入札監視委員会の設置を行うこと。上記委員会において、定期的な入札制度の検証を行い公表すること。

 

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6. 市議会の対応について

アンケート結果から視える、議員等による職員への不当な圧力を抑止するために、「議員等の提言・要望・質問などに対する事務処理」として報告書の記録・開示が必要である。市当局において、速やかな対応をお願いしたい。

議会基本条例については、議会運営委員会(制度検討委員会)にて継続審議となっているが、多くの議論を要する事が想定される。そこで、議員倫理については、議員全員が共通の認識を持つことが大切であることから、当特別委員会としては議会運営委員会へ議員倫理条例等(規程)制定に向け早急に審議し、さらに定期的な議員倫理研修会の開催も併せて求める。

 

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7. 終わりに

職員の不正入札に係る贈収賄事件が相次いで発生し、7年前の教訓が生かされず、市民の市政に対する信頼は大きく失墜した。

本特別委員会は、平成27年1月22日の設置以降、入札制度、職員と議員の倫理の確立、市の組織体制など、再発防止に向け、情報収集を行いながら調査、協議を重ね、本報告書を提出するに至った。

市当局においても、今回の事件を契機に原因究明を徹底的に行い、今後二度とこのような不祥事が起こらないよう取り組むこと。

また、市長は、市長杯のゴルフコンペや古希を祝う会の発起人になるなど、

市民に不信感を募らせることに至った責任は重いものである。政治倫理基準に反する事実があるとの疑惑を持たれた場合は、自ら誠実な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにすること。

しかしながら、どのような制度であっても、それを守り運用していくのは人である。職員一人ひとりの意識改革、高い倫理意識が求められることに変わりはない。市及び市職員に対して失われた市民の信頼を取り戻すことは容易ではないと思うが、今後、一つ一つの業務を誠実に実施し、これを積み重ねていく

ことによって信頼を取り戻していくしかない。

市民の付託を受けた市議会としても、市の執行機関に対する監視機関として、その責任を認識しその機能を十分はたし、このような不祥事が再発しないよう、市議会の役割と責務を踏まえ、本市の発展のため今後とも努力していかなければならない。

以上

問い合わせ

議会事務局 

〒847-8511 佐賀県唐津市西城内1番1号

電話番号:0955-72-9162