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更新日:2020年5月28日
山笠制作に取り組む川上さん
5月16日(土曜日)の午後、資料を届ける用事があり、浜崎祇園山囃子保存会館を訪れました。
黙々と川の流れを描く
すると、会館の一画で何やら作業されている方が一人。川上文伴(かわかみふみとも)さん(87歳)でした。浜崎祇園祭の生き字引といわれる川上さんを、観光協会のスタッフの方から紹介されました。川上さんにお話を聞くと、子供山笠の飾りを制作されているとのことでした。
今年の浜崎祇園祭は、残念ながら新型コロナウイルス流行の影響で中止となり、日本最大級の高さ15m、重さ5tの祇園山笠は、残念ながら曳くことができないとのこと。しかし、子供山笠の展示は行われるそうです。
山笠のげだんの制作一部
子供山笠は、もともと毎年5月~6月にかけて作り変えられ、祇園祭が終わると次の年まで子供山笠展示場に展示されるため「6月中には新しい山笠を完成させたい」と制作に励まれているとのことでした。
川上さんは、一枚一枚絵を手で描かれていました。川の流れを表している絵は、床いっぱいに広げられ、黙々とお一人で作業に取り組まれていました。設計図などなく、頭の中の設計図で山笠を作り上げていくとか。
地区の人たちの手作り飾り
ほかにも、地区の高齢の祇園祭関係者が一枚一枚山笠に貼り付ける、きらびやかな模様の飾りが事前に作られていて、なんとも気の遠くなるような細かな作業をされていました。
山笠の飾りの表には、伝統的な時代劇場面、裏には流行を反映させたものが飾られるとのこと。今年は何のテーマだろうと楽しみです。
子供山笠展示場裏側
浜崎祇園祭の子供山笠は、高さ7.5m、重さ約625kgで、ひきやま公園の一角の展示場に格納、展示されます。今年は、どんな子供山笠ができるのでしょうか。
後世に山笠の伝統、文化を継承するために、見えないところでの努力と細やかな作業を、祇園山笠のある浜区、西区、東区の人々は毎年行っておられます。
(取材地:唐津市浜玉町浜崎)
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