ホーム > 産業・ビジネス > 水産業 > 水産業活性化支援センター便り > 水産業活性化支援センター便り~Vol.20
ここから本文です。
更新日:2023年2月13日
こんにちは、水産業活性化支援センターの村山です。
唐津市では、平成24年度から九州大学と共同研究で、「新水産資源創出研究プロジェクト」に取り組んでいます。
このプロジェクトでは、水産業の活性化と地域の活性化を目指して、唐津市の相賀の水産業活性化支援センターで、マサバなどの完全養殖技術の開発、ケンサキイカの先端的研究、バイオ水産技術の開発を実施しています。
今回はバイオシリーズの第5回目を紹介します。バイオシリーズは今回をまとめとしてとりあえず終了となりますが、今後トピックスなどがあればその都度紹介します。
私たち研究者は、研究のしやすさ、効率といった観点から、「モデル生物」という生き物を用いることがあります。例えばラットやマウスは、ヒトのモデル生物として有名です。
しかし、海産養殖魚においては、様々な研究目的に対応が可能なモデル生物は、未だ確立されているとは言えません。そこで私たちは、遺伝情報や実験環境の整備など、カタクチイワシを海産養殖魚のモデル生物として活用する基礎基盤の確立に取り組んでいます。
近年開発された「ゲノム編集」によって、高成長や高肉質など、有用形質に関わる遺伝子の機能を効率的に改変することが可能です。本技術の適用は遺伝子組換え生物に該当しないことから、魚のみならず植物や動物の育種法として、最も有望なアプローチの1つと言えます。
ここでは、カタクチイワシの有用形質魚を作出してその実用性を提示することで、ゲノム編集による次世代型の魚類育種法の開発を目指しています。
最近、魚類を利用したバイオ医薬品生産の有用性が検討され始めています。
カタクチイワシは非常に大量の卵を産卵します。そこで、カタクチイワシの卵を利用した物質生産技術を確立することで、本種を利用したバイオ医薬品生産法の開発を目指しています。
問い合わせ