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更新日:2022年4月1日
こんにちは。唐津市水産業活性化支援センターの村山です。
唐津市では平成24年度から九州大学と共同研究で「新水産資源創出研究プロジェクト」に取り組んでいます。
このプロジェクトでは、水産業の活性化と地域の活性化を目指して、相賀の水産業活性化支援センターで、マサバなどの完全養殖技術の開発、ケンサキイカの先端的研究、バイオ水産技術の開発を実施しています。
前回はマサバ種苗生産技術開発と平成26年産マサバの試験養殖、ケンサキイカの先端的研究について報告しましたが、今回は今年度種苗の試験養殖とバイオについての報告と、平成27年7月29日にインドネシアから視察に来られましたので、その内容を紹介します。
今年度は4月下旬から6月下旬にかけて数回に分けて卵を採り、6月上旬から8月下旬にかけて8cmから10cmになった時点で海のいけすに運び、養殖を開始しました。
一時赤潮の影響が心配されましたが、センターの狭い水槽から海の広いいけすに移り、元気に泳いでいます。
これらのマサバは1年数か月後の来年秋には出荷可能なサイズに育ちます。
遺伝子操作による新品種の作出や微生物を利用した医薬品原料の生物工場など、農業や医療分野などではバイオの研究、実用化が進んでいますが、水産の分野ではほとんど研究が行われていませんでした。
特に海産魚ではまったく実績がないので、当センターでは世界に先駆けて海産魚でのバイオ技術の開発、実用化を目指し、その先端的な成果を世界に向けて発信することで唐津のPRをするとともに、実用化によって新たな産業の育成につなげることを目指します。
研究はカタクチイワシをモデルとして進めています。カタクチイワシは飼育しやすいこと、水温などの条件さえ整えれば1年中卵を産んでくれること、成長が早く研究の成果を早期に確認できることなどから選定しました。
産卵も本来は夜中にするのですが、光の周期を逆にすることで人間の都合に合わせて昼間に産卵してもらっています。カタクチイワシにとっては迷惑かもしれませんが、目標の早期達成のためにがんばってもらっています。
平成27年7月29日にインドネシアのハサヌディン大学から研究者10人がお見えになり、日本の大学における産学連携の実情を研究を通じて理解し、今後の活動に活(い)かしていくことを目的として、大学と地域の企業や行政などとの連携事例を視察に来られました。
独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じて平成27年7月28日から31日まで期間、九州大学での研修に来られ、その一環として当センターにおいでになったものです。
当日は、唐津市と九州大学の共同研究の内容、共同研究を実施するに至った背景や経緯、研究成果の地元への還元方法などについて熱心に意見交換を行い、その後施設の見学をしてもらいましました。私たち水産業活性化支援センターにとって有意義な研修になりました。
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