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更新日:2019年3月4日
こんにちは。唐津市水産業活性化支援センターの村山です。
唐津市では平成24年度から九州大学と共同研究で「新水産資源創出研究プロジェクト」に取り組んでいます。
このプロジェクトでは、水産業の活性化と地域の活性化を目指して、相賀の水産業活性化支援センターで、マサバなどの完全養殖技術の開発、ケンサキイカの先端的研究、バイオ水産技術の開発を実施しています。
今回は、1月15日に水産物等のブランドに詳しい下関市立大学の濱田英嗣先生を招いて「唐津市における完全養殖マサバのブランド化と販売戦略」に関するシンポジウムが開催されましたのでその紹介と、平成27年12月号で紹介したバイオ水産技術開発の続きを紹介します。
シンポジウムは1月15日(金曜日)の13時半から水産会館2階のホールで開催されました。私たちもお手伝いする中で、場所を確保するときに何人ぐらい来場されるかがわからず、会場の広さについて悩みましたが、結果的に60人という多くの皆さんに来ていただくことができました。
内容は、まず九州大学大学院農学研究院の長野先生が現在の生産の状況と販売の状況について報告され、その後に濱田先生がブランドとは何か、どのようなブランドを目指すのか、その方法などについて講演されました。休憩をはさんで来場者の皆さんと一緒に総合討論という形ですすめられました。
マサバのプロジェクトでは漁業の活性化とあわせてマサバを使った食の目玉を開発し、唐津への観光客の増加を図ることにより街を活性化することも目指していますので、今後の活動のあり方について大変貴重な意見や提言をいただくことができました。
カタクチイワシは私たちにとって非常になじみ深い魚ですが、海の自然にとってもたいへん重要な役割を担っています。すなわち、食べる・食べられるという生き物たちのつながりである食物連鎖の中で、クジラやイルカなどの海棲(かいせい)ほ乳類に餌として食べられることで、それら多くの命を支えているのです。
海の中に溶け込んだ栄養と太陽をもとに植物プランクトンが発生し、それを餌として動物プランクトンが発生します。カタクチイワシは、これを餌としてすばやく成長します。また、たくさんの卵を産むことで、どんどん増えていきます。そして多くのカタクチイワシはより大きな餌として食べられ、こうして海の命はバトンタッチされていきます。
ここ唐津でも、桜咲く季節のころに湾奥の岸壁に立つと、キラキラと輝くたくさんのカタクチイワシが、見渡す限り湧いているのを見ることができるでしょう。
「すばやく成長」し「たくさんの卵を産む」こと、これが私たちが考えるカタクチイワシに秘められた実力と可能性のおおもとです。この特徴を活かした研究を行うことで、将来的には人間の生活と福祉に貢献できると考えているのですが、その話はまた次回以降にお話します。
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