更新日：2023年1月20日

積雪などに伴う長時間停電を踏まえた防火対策を徹底してください

積雪などの影響で長時間停電が継続する場合、消防用設備などの非常電源として蓄電池設備や非常電源専用受電設備などを用いている防火対象物は、消防用設備が有効に機能しなくなるなど、防火対策に支障が出るおそれがあります。
防火対象物の関係者は、下記を参考に防火安全性を確保してください。

消防用設備などに関する事項

長時間停電が継続し、消防用設備などが作動しない場合に備えた対応

消防用設備などの非常電源として蓄電池設備や非常電源専用受電設備などを用いている場合には、防火対象物の関係者は、消防用設備などが作動しない場合に備えて、以下の対応を行ってください。

消火設備

消火器、簡易消火用具などの設置場所や使用方法を再確認してください。不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備などの自動消火設備については、手動での放出操作手順を再確認してください。

警報設備

巡回などにより、こんろその他火気使用設備・器具の火元の警戒を入念に行うなど、火災の早期発見につなげるとともに、警報設備の設置範囲内への連絡および周知体制を確保してください。

避難設備

避難誘導体制や避難経路を再確認してください。

自家用発電設備の機能の確保

消防用設備などの非常電源として自家発電設備を用いている場合には、防火対象物の関係者は、自家発電設備について、必要な燃料の確保などに努めるとともに、常用電源復旧後、ただちに運転を停止し（常用電源復旧時、自動的に運転を停止するものを除く）、燃料の補給などにより、火災時の機能に支障がないように措置してください。特に、燃料が空となったあとに燃料を補給した場合に再び適切に作動するためには、自家発電設備のエンジン部分の空気抜きが必要なものがありますので、留意してください。

その他の留意事項

自動火災報知設備の中には、長時間停電することに伴い予備電源の容量が低下することなどにより異常警報を発するものがあります。防火対象物の関係者は、これらの警報音が作動した場合における対処方法（警報音の停止方法、復電時の点検方法など）について点検事業者などに確認してください。

危険物施設に関する事項

長時間停電することに伴う危険物施設の安全確保について

保安管理

停電時の対処方法を確認し、適切な管理を実施してください。

自家発電設備の稼働などに関する留意事項

自家発電設備の稼働中、新たな災害などが発生した場合は、発電設備のサービスタンクおよび配管などの損傷、漏油などの発生がないことなど、安全を再確認したうえで、再稼働させてください。

プラントなどにおける安全対策

停電により計装制御系統の機能停止、冷却機能の停止に伴う反応制御不能などにより、異常反応、異常重合、異常分解などから爆発を誘発し、ほかの施設も停止する危険があることなどを踏まえ、制御電源および当該電源に必要な燃料などを確保してください。

危険物の仮貯蔵・仮取扱い

自家発電設備などへの円滑な燃料供給などのため、危険物の仮貯蔵・仮取扱いを行う場合、「震災時における危険物の仮貯蔵・仮取扱い等の安全対策及び手続きに係るガイドライン（外部サイトへリンク）（別ウィンドウで開きます）」を活用してください。

施設の再稼働に向けた復旧作業に伴う変更許可など

強風などにより危険物施設に破損などの被害が生じ、施設の再稼働に向けた復旧作業に伴う変更許可などの手続きが必要となる場合、当該許可申請に関する審査などについては、消防本部予防課に相談してください。

その他の一般事項

火気管理の徹底

防火対象物の関係者は、電気こんろや電子レンジなどの電気機器の使用中に停電したときには、通電時に火災が発生しないようスイッチを切るなどの措置について、在館者や利用者に対してあらかじめ周知してください。

119番通報体制の確保

停電により、IP電話やファクス機能付き電話などの一部の電話機が使用不能となるものがあります。防火対象物の関係者は、あらかじめ電話機の状況を確認し確実な119番通報体制を確保してください。

避難経路などの確保

停電により、電気錠が設けられた扉や自動ドアなどが機能を失って通行不能となるおそれがあります。防火対象物の関係者は、あらかじめ避難経路または消防隊の侵入経路を確認し、通行できるよう対策を講じてください。

エレベーターや遊具などの使用制限

停電により、電気を動力とするエレベーターや遊具などが停止するおそれが高い場合には、防火対象物の関係者は、あらかじめ使用を制限してください。