本文
西の浜海水浴場にて「第44回唐津湾イカダ大会」が開催された。真夏の太陽が容赦なく照りつける一日となったが、海上には適度な風が吹き抜け、参加者からは「中風でコンディション良好」との声も上がる絶好の環境。浜辺には各団体のテントが並び、バーベキューを楽しむ姿や応援の声が響き、会場全体が夏らしい活気に包まれていた。

デザイン賞:JR九州佐賀鉄道事業部(さよなら103GO!)
唐津湾で行われる海上イカダ大会は、全国的にも珍しい伝統イベントとして知られている。参加者は手作りやレンタルのイカダに乗り込み、鳥島方向へ向かって折り返す約1.8キロメートルのコースを漕ぎ進む。タイムやデザインを競うだけでなく、潮の流れを読み、仲間と声を掛け合いながらパドルのタイミングを合わせる技術が勝敗を左右する。特に大潮の日は松浦川から流れ込む水流が強まり、イカダが思うように進まなくなることもあるという。参加者たちは左右のパドルのリズムを細かく調整しながら進行方向を保ち、体力と気力、そして自然との緊張感の中でゴールを目指した。

一斉スタート
今年は30チームがエントリーし、1チーム8~10人の構成でレースに挑んだ。その中でも会場を明るく盛り上げていたのが、特別賞を受賞した北九州から参加のTOTO(株)「水まわり最強女子」チームである。以前、別グループで同大会に出場した際の楽しい思い出が忘れられず、「またあの体験を仲間と共有したい」との思いで、職場の仲間を集めて初参加に至ったとの事。当日は朝7時に北九州を出発し、高速道路を利用して唐津へ到着。特別な練習はしていないものの、ファミレスで乗船配置を決め、イメージトレーニングのみで本番に臨んだというから驚きだ。
更に行橋市からのメンバーも加わり、遠方からの熱意ある参加が大会に華やかさを添えていた。

TOTO(株)「水まわり最強女子」チーム
チーム名のとおり、メンバーは明るく前向きで、気温34度の炎天下でも笑顔を絶やさず、互いに声を掛け合いながら力強く漕ぎ続けていた。初参加ながら息の合ったパドルさばきで安定した走りを見せ、ゴールが近づくにつれ観客からは大きな声援が送られた。ゴール後には「楽しかった」
「また来年も参加したい」と爽やかな笑顔を見せ、最後には「明日も仕事です」と笑いながら話す姿が印象的だった。遠方からの参加であってもイベントを心から楽しむ姿勢が、会場全体の雰囲気を一層明るくしていた。
TOTO(株)「水まわり最強女子」チーム
一方、スピード部門1位の(株)クラフティア「キュウデンジャーズA」が圧倒的な速さを披露した。
スタート直後から他チームを大きく引き離し、16分43秒という断トツのタイムでゴール。見事5連覇を達成した。レースの途中には、観客からは「速い」「もう折り返して来よる」と驚きの声が上がっていた。まさに大会を代表する強豪チームとしての実力を示した。

スピード部門優勝:(株)クラフティア(キュウデンジャーズA)
同チームは5年前に船を新調し、毎年改良を重ねてきたという。船体の改善の積み重ねが現在の完成度につながっている。驚くべきことに「特に練習はしていない」と話しており、職場で培われたチームワークや長年の経験が結果に結びついているといえる。潮の流れに合わせたパドルのタイミングや風を味方につけた加速は他チームを寄せつけず、ゴールまで一度も勢いを失わない圧巻の速さだった。
今年の大会は天候と海況に恵まれ、参加者・観客ともに充実した一日となった。自然と向き合いながら仲間と力を合わせて漕ぎ進む姿は、唐津の夏の風物詩として多くの人々を魅了した。最後に実行委員会の山下会長より参加者への労いの言葉と、来年の参加への呼びかけが行われ、会場は温かい拍手に包まれた。
また来年も、唐津の海に熱いドラマが生まれることを期待したい。

テントが立ち並び、おのおのがバーベキュー

ライター:くさばさん
