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11月8日、石室の猪ノ子祭大綱引きが行われました。

猪ノ子の綱引きは、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際、将兵たちの士気を鼓舞するために行ったのが始まりとされていて、昭和35年頃に一時途絶えていたそうですが、昭和49年に青年団が中心になり再開しました。
綱引きに使われる綱は、農業用の縄を120本より合わせて、3本の綱を作り、それをさらにより合わせて1本の綱を作ります。それを2本作り、祭りの当日に中央で結びます。結んだ中央部を「ミト」といいます。
長さ約60メートル、重さ約3トンの大綱のできあがりです。この大綱を上組、下組に分かれて勇壮に引き合います。この綱は、7~8年おきに新調します。
この祭りの運営や綱の準備には大勢の人が必要です。石室地区の住民の減少や若者の減少で今後の運営が厳しい、難しいということで今年で400年の歴史ある大綱引きに幕を下ろすことになりました。
午後6時半ごろ高校生がたたく呼び出し太鼓でだんだん人が集まりだしました。今年で最後ということで、例年の3倍くらいの人が集まりました。
午後7時過ぎ、神事のあと1本目が始まりました。観客も参加しての大綱引きです。上組、下組の旗頭の合図で「ヨイサ、ヨイサ」と声を出し引き合います。中央の「ミト」が少しずつ動いて勝負がつきました。

安全と豊作を祈願し、神事が行われます

太鼓の合図で1本目が始まります

上組の旗頭が士気を高めます

下組の旗頭「さあ、行くぞ」

観衆も一緒に「ヨイサ、ヨイサ」
3本勝負の合間には、潮太鼓や呼子よさこいチーム「彩海」の皆さんのアトラクションもありました。また、花火もあがり、秋の澄んだ空気の中とてもきれいでした。

よさこいチーム「彩海」の演舞

豪華に花火もあがりました
今年の勝負は2対1で下組が勝ちました。どちらが勝っても豊作ということだそうです。
綱引きのあとは、恒例の「もちまき」も行われました。 役目を終えた大綱は、中央から離され、倉庫へと運ばれて行きました。 また、いつの日か復活することを祈っています。

最後に恒例の「もちまき」

役目を終えた大綱は静かに倉庫へ向かいました
(取材地:鎮西町石室)
