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更新日:2023年7月31日

玄海原子力発電所対策特別委員会行政視察報告書(令和5年度)

1参加委員

青木委員長、山下副委員長、笹山委員、水上委員、宮原委員、久保委員、大宮路委員、岡部委員、伊藤一之委員、原委員、古藤委員、中村委員、黒木委員、浦田委員、吉村委員、大西委員、進藤委員、熊本委員、楢﨑委員、宮本委員、中川委員、白水委員

2察日時

令和5年5月12日(金曜日)午後1時から午後4時10分まで

3張地(視察先)

玄海町(九州電力株式会社玄海原子力発電所)

4調査内容

  1. 発電所の経緯や現況等についての説明
  2. 発電所構内の視察

5察項目・内容・所感

視察項目

  1. 玄海原子力発電所の現況について
  2. 玄海原子力発電所の安全確保の取組み
  3. 緊急時対策等の設置工事状況について
  4. 玄海3,4号定重大事故等対処施設の設置について
  5. 玄海原子力発電所の使用済燃料貯蔵対策について
  6. 玄海1,2号止措置の状況について
  7. 発電所構内の視察
    乾式貯蔵施設建設予定地→防火帯→1,2号機タービン建屋→1,2号機大容量空冷式発電機→代替緊急時対策所→海水ポンプエリア→燃料油貯蔵タンク→3号機燃料取扱建屋見学室→3,4号機タービン発電機→八田浦貯水池→緊急時対策棟建設工事現場

視察内容

玄海原子力発電所は、佐賀県東松浦郡玄海町に立地し、約87万平方キロメートルの敷地を有し、1号機が昭和50年に営業運転を開始して以来、増大する電気エネルギー需要に符号するように、2号機、3号機、4号機と建設され、出力347万8千kWの発電所となった。その後、1号機は平成27年に、2号機は平成31年に運転を終了し、現在の総出力は236kWとなっている。3,4号機は平成30年に再稼働し、福島第1原発事故後に導入された新規制基準で義務づけられたテロ対策施設の設置が期限に間に合わず運転を停止していたが、3号機は令和5年1月に、また4号機は3月に通常運転に復帰している。なお、運転を終了した1,2号機は安全確保を最優先に廃炉措置を進めている。
構内には新規制基準に適合するために、さまざまな施設が敷地内に点在しており、今回の視察では、乾式貯蔵施設建設予定地、防火帯、1,2号機タービン建屋、1,2号機大容量空冷式発電機、代替緊急時対策所、海水ポンプエリア、燃料油貯蔵タンク、3号機燃料取扱建屋見学室、3,4号機タービン発電機、八田浦貯水池、緊急時対策棟建設工事現場などを確認した。地震や津波、竜巻などさまざまな災害のケースを想定し、万全の対策が講じられていた。

所感

3年間のコロナ禍後、初めてとなる現地調査となる。
コロナ禍という未曽有の社会課題に直面し、原子力発電のみならず、さまざまな広域的な危機管理について経験をしてきた。
そのような中、本委員会では今日まで報道や玄海原子力発電所に関する机上での説明などにより調査を行ってきたが、現地の状況がどのようになっているのか視察することも重要な課題であると捉えていた。また、発電所構内への視察経験がない委員も含まれ、現地の状況把握を求める声もあり、このたびの現地調査に至った。
福島第1原発事故から今日まで多くの課題が指摘され、その対応が図られている。時間の経過とともにその対応状況と現地の状況を確認することができ、コロナ禍での玄海原子力発電所に関する机上での報告について、その対応状況が今回の視察で確認することができた。
あらゆる状況を想定し二重三重の万全の対策が施されており、安全性は格段に向上しており、新規制基準の厳しさとそれに適合するための膨大な事業であることが理解できた。特に原子力発電所の3大要素である「止める、冷やす、閉じ込める」といった冷却手段が非常に大切であり、それに基づいた対策が実施されていたが、安全対策で最も重要なことはヒューマンエラーである。そこで発電所などでの労働災害を防ごうと、九電グループ従業員向けの研修施設「安全みらい館」を建設し、今年4月から運用を開始している。大型スクリーンやデジタルサイネージを活用し、過去の労働災害の映像から安全教育を行うほか、災害や事故を疑似体験する危険体感設備もあり、従業員の安全への危機意識を高めるねらい。このように万が一災害が起こった場合においても、確実に対応できるようハード整備だけでなくソフト面においても十分な対策が講じられている。
九州電力は、玄海や川内の再稼働を通じて新規制基準に基づく安全対策に対する経験を蓄積しており、それらの経験を生かし、十分な安全対策が図られるよう本委員会においても今後の動きを注視していく必要があると再認識した。

玄海原子力発電所原子力訓練センター(発電所構内視察前の概要説明の様子)1 玄海原子力発電所原子力訓練センター(発電所構内視察前の概要説明の様子)2

写真:玄海原子力発電所原子力訓練センター(発電所構内視察前の概要説明の様子)

 

問い合わせ

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