更新日：2021年9月29日

玄海原子力発電所対策特別委員会小委員会報告書（中間報告）

玄海原子力発電所対策特別委員会小委員会報告書（中間報告）全文

本小委員会は、令和3年6月18日に玄海原子力発電所に関する諸課題などについての検討に際し、より機動的に活動することを目的として設置し、令和3年9月17日まで6回開催し、協議を行ってまいりました。
唐津市と九州電力株式会社について、各会派から項目ごとに課題を出し合い、まず唐津市の課題の整理に着手し、委員間での協議や執行部への質疑を行いました。唐津市の課題について取りまとめた内容については、別紙一覧表のとおりです。
以下、各項目の取りまとめ状況の概要を報告します。

安全協定
課題について、2者協定の再改定を目指すべきか、あるいは3者協定への参画を目指すべきかなど会派によって考えの違いはあるものの、唐津市には事前了解権がないとの点については全会派で認識が一致している。解決手法については、相手方があってのことであり、かつ執行部と議会は歩調を合わせるべきとの意見もあることから、更に議論を深める必要がある。

玄海町との協議会
本年8月に唐松地域共生協議会が発足したところである。課題としては原子力行政に関する唐津市の意向をどのように反映させていくかや、協議会における原子力行政分野の議論をどのように担保していくかがある。同時に玄海町にとってのメリットを考慮することも重要であるとの指摘がある。更には協議内容の報告を定例会ごとに求めるべきとの意見がある。

ヨウ素剤
周知が徹底されていないこと、配布方法が少ないこと等が課題である。また、PAZ内での配布率の結果（令和2年度までの実績45.5％）をどう捉えるか等、内容の精査が必要であるとの意見もある。
また、保育園等への安定ヨウ素剤の事前配備を求める要望に対し、事前配備を行った場合におけるアレルギー等のリスクを確認すべきとの意見がある。

避難関連（市民への周知・ガイドブック・離島・要支援者）
課題は、計画を科学的根拠に基づいて十分に説明できていないため、市民の理解と安心感が得られていないこと。そのことにより計画の実効性に疑問が残ることが課題である。また、離島の避難に必要な桟橋整備が不十分というハード面についての課題もある。
全項目を通じて、最も多くの意見や要望が挙がっている。そのうち屋内退避に対しては、屋内退避の基準となる放射能の値を設定することそのものについて疑義があるとの意見と、基準を設定すること自体は当然であるとの意見があり、避難計画の根本となる部分で数点、会派間での意見の対立が見られる。

職員行動マニュアル
原子力災害に特化した職員行動マニュアルが作成されていないとの課題については全会派で認識が一致している。その上で、実効性の確保や実際にマニュアルを使用する際の利便性を求める意見がある。さらに、マニュアルを整備するだけでなく、その後の訓練や体制整備の重要性を求める意見がある。

その他（体制・組織等）
唐津市として各項目へ意見を述べるにあたっての専門性や人員体制が担保されていないという課題と、計画策定などの準備段階から九州電力の協力を得るべきとの意見がある。

「玄海原子力発電所の安全・安心の確保に係る項目の対応状況」
平成30年3月以来、対応状況の進捗が確認できていない。年月が経過しており、状況の変化もあることから、現状に合わせて内容を修正し、再度整理する必要があるとの意見がある。

以上が各項目の取りまとめ状況の概要です。
今後の小委員会をどのように進めていくかにつきましては、本特別委員会の決定のもと、小委員会の特性を活かした機動的な活動を引き続き行い、唐津市の課題についてさらに掘り下げて議論し、唐津市民の安全・安心のための解決策を本特別委員会へ提案する予定です。
なお、九州電力株式会社の課題については、本特別委員会において行われる玄海原子力発電所に関する様々な事業・事案・事象の調査状況を確認しながら、唐津市の課題についての協議が終了した後、速やかに着手することとします。
令和3年9月21日

玄海原子力発電所対策特別委員会小委員会委員長田中秀和

玄海原子力発電所対策特別委員会小委員会報告書（中間報告）（令和3年9月21日）（印刷用）（PDF：87KB）

小委員会課題の整理（PDF：135KB）