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献上唐津兎手焙(けんじょうからつうさぎてあぶり)
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唐人町御茶盌窯(とうじんまちおちゃわんがま)
19世紀 高20.0センチ 径21.8センチ
ウサギの形をした唐津焼の手あぶり(小さな火鉢)です。献上唐津特有の白土を使いロクロで成形、頭や耳・足・尾は手びねりで作りました。思わず「ふふっ」と笑ってしまいそうな愛嬌ある表情にまるまるとした姿。人の手が触れたであろう背には貫入が入り、変色しています。以前の持ち主に愛用されていたのでしょう。
唐津藩の御用窯は、宝永4年(1707)から享保19年(1734)までは坊主町、その後は、明治4年(1871)の廃藩まで唐人町(現在の町田)にありました。この御用窯で焼かれた製品を「献上唐津」と呼びます。きめの細かい精巧な作風で、「古唐津」とは一風異なる魅力を持っています。