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玄海原子力発電所対策特別委員会報告書
玄海原子力発電所対策特別委員会報告書全文
本特別委員会は、唐津市民の安全確保に万全を期すことを目的として、平成17年12月9日に設置した、全議員による「プルサーマルに係る特別委員会」を継承し、玄海原子力発電所に関する諸課題全般への対応を行うことを目的として、令和3年6月1日に設置し、令和6年12月2日まで、15回の特別委員会と11回の小委員会を開催し、協議を行ってまいりました。
令和4年12月22日に中間報告を行い、その後の本委員会では、令和5年8月に資源エネルギー庁から我が国のエネルギー政策及び原子力政策について、令和6年2月には九州電力株式会社から玄海原子力発電所1、2号機の廃止措置計画の変更や4号機の高燃焼度燃料の導入、発電所における審査・工事の状況などについて説明を受け、質疑等を行い議論を深めてまいりました。
令和5年5月に、コロナ禍の影響で今期初めてとなる玄海原子力発電所を視察、同年10月に、九州電力管内の川内原子力発電所の安全対策、また、東海発電所の廃止措置工事状況、東海第二発電所の使用済燃料乾式貯蔵設備、本市と同じ隣接自治体の原子力災害対策について、視察研修を行いました。
令和6年5月10日に、脇山玄海町長が高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づく処分地選定調査の第1段階にあたる文献調査の実施について、国からの申し入れに応じる意向を表明、同月16日に国へ受諾文書を提出され、同月31日に原子力発電環境整備機構(NUMO)が経済産業省に事業年度事業計画の変更を申請し、6月10日に認可されました。これを受け、玄海町に隣接する自治体として、令和6年7月2日に、資源エネルギー庁及び原子力発電環境整備機構(NUMO)から、高レベル放射性廃棄物の最終処分や地層処分に関する文献調査について説明を受け、質疑等を行い、文献調査等に関する知見を深めました。
令和6年10月30日に、玄海原子力発電所で重大事故が発生した際の対応拠点となる緊急時対策棟の運用が開始されたことから、同年11月20日に玄海原子力発電所の安全対策について説明を受けたほか、乾式貯蔵施設掘削工事状況、廃止措置実施状況、指揮所など緊急時対策棟について、現地視察を行いました。
令和4年12月19日に小委員会から報告を受けた、「玄海原子力発電所の安全・安心の確保に係る項目の対応状況」については、既に完了としたもの、完了としてよいもの、完了には時間がかかるものなど混在していたため、各項目を「継続して対応すべき項目」、「長期に注視すべき項目」、「完了した項目」の3つに分け、併せて各項目の進捗状況を確認し時点修正を行うなど、新たに整理を行いました。
本市は、玄海原子力発電所が立地する自治体と同様の原子力災害リスクを負っており、市民の不安が大きい項目について、早急かつ確実な取り組みがなされるよう、本委員会の意見として次のとおり執行部に申し入れます。
1 玄海原子力発電所3、4号機の運転状況について、また、令和8年度を目途に乾式貯蔵施設が設置予定とされていることから、九州電力株式会社に対し情報提供を求め、市民の安全・安心の確保に努めること。
2 玄海原子力発電所1、2号機の廃止措置計画について、令和7年度に第1段階である解体工事準備期間が完了し、第2段階である15年間の原子炉周辺設備等解体撤去期間に入る予定であることから、廃止措置の工程や周辺環境に及ぼす影響、安全確保対策等について、今後も引き続き注視していくこと。
3 「玄海原子力発電所の安全・安心の確保に係る項目の対応状況」について、その進捗状況を確認し、隣接自治体として、様々な角度から研究・検討を行い、市民の安全・安心の確保に努めていくこと。
4 特定放射性廃棄物の最終処分について、玄海町における文献調査を含め、国民の理解促進など国が責任を持って全国で進める取り組みを、引き続き注視していくこと。
以上、本委員会における報告といたします。
令和6年12月23日
玄海原子力発電所対策特別委員会
委員長 青木 茂
唐津市議会議長 笹山 茂成 様