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産業経済委員会行政視察報告書(令和7年度)
1 参加委員
- 山下壽次委員長
- 久保美樹副委員長
- 野田宗作委員
- 甲斐田晴子委員
- 中山亘委員
- 水竹道夫委員
- 伊藤一之委員
2 視察日
令和7年7月15日(火曜日)、令和7年7月16日(水曜日)
3 視察概要・所感
視察項目1:ボートレース鳴門における来場促進に関する取り組みについて(視察先:徳島県鳴門市)
概要
鳴門市は、徳島県の東北端に位置し、瀬戸内海と紀伊水道をつなぐ鳴門海峡を有する徳島県では3番目の都市である。
鳴門市にあるボートレース鳴門は、平成28年4月にメインスタンドをリニューアルオープンし、鳴門海峡を望む景観を重視した設計で、建物の高さを抑えたコンパクトな造りが特徴である。館内は上下移動を最小限にし、バリアフリーにも対応するなど、利用者に優しい空間となっている。
また、施設のスタンド内外には地域住民が利用可能なイベントスペースを設け、単なるレース場にとどまらず、地域コミュニティの交流拠点としても機能しており、地域活性化に貢献している。スタンド西側の敷地は「まちづくり活用エリア」として位置づけられ、民間企業が建設・運営する、温泉施設が立地。1階には飲食スペースと土産物売り場があり、観光要素も兼ね備えている。露天風呂やラウンジからはボートレースの観戦も可能で、ユニークな来場体験を提供している。
一方、スタンド東側の敷地には、平成30年にサイクルステーション、バスケットボールコート、スケートボード場を備えた複合型スポーツ施設「ウズパーク」を開設。さらに令和2年には、国内最大級のボルダリング施設や読書スペースなどを備えた「ウズホール」を開業し、市民の交流や賑わいの創出に寄与している。スポーツイベントや公式試合なども行われており、多世代が集えるコミュニティの場となっている。
所感
ボートレース場の来場者のピークは、昭和52年度の約132万人。令和5年度には約11万5千人と近年は減少傾向にあるものの、売り上げは平成28年度のリニューアル以降回復し、令和6年度には、過去最高の約843億円総売り上げとなった。
ボートレース鳴門では、ボートレース場を単なるレジャー施設にとどめず、地域づくりや市民交流の場として有効活用している点が非常に印象的であった。特に、バリアフリー設計や市民向けイベントスペースの整備など、公共性と利便性を両立させた施設整備は本市においても大いに参考となる。
また、ウズパークや温泉施設など周辺エリアに多機能な設備を整備し、スポーツ・健康・観光を融合させた複合型エリアとして運営している点は、持続可能なにぎわい創出の好事例であり、市民サービス向上と来訪者誘致の両立を実現している。
今後本市においても、遊休地や公有地の利活用、官民連携による複合施設の整備・運用を検討するうえで、鳴門市の取組みをモデルケースとして研究・活用していきたい。
また、かつては市の財政状況が厳しく、経常経費までボートレースからの繰入金がなければ、一般会計の予算編成ができないという状況であった。市が公共交通事業や病院事業からの撤退など行政改革を行い、ボートレースからの繰入金に依存せずとも予算編成が可能となるなど、財政の健全化が進んでいる。
本市においても、ボートレース収益に依存しない持続可能な財政運営を目指すべきであり、鳴門市の取り組みから学ぶべき点は多いと感じた。
視察研修を受ける様子
視察研修を受ける様子
視察項目2:倉敷市のふるさと納税の取り組みについて(視察先:岡山県倉敷市)
概要
倉敷市は、岡山県南部に位置する中核市であり、人口約47万人の岡山県で2番目の都市で中国地方でも3番目の都市である。
文化・観光・産業が調和した都市で、県内有数の観光の街として知られる美観地区をはじめとする歴史的町並みや、瀬戸大橋を望む瀬戸内海の景観、さらには、国内外からの観光客を引き付ける観光資源を多く有している。
倉敷市では、寄附額の増加を目的として関係部局が連携した「ふるさと納税推進検討会」を2か月に1回以上の頻度で開催しており、返礼品やサービスの開発・見直しを積極的に行っている。また、運営代行事業者との連携を通じて業務の効率化と寄附額の拡大を図っている。
特に注目すべき点は、「体験型返礼品」の充実である。楽天トラベルやフルナビトラベルなどの旅行クーポンや、倉敷中央病院の人間ドック利用券、地元レストランの食事券、大原美術館入館券、ジーンズ作り体験チケット、ゴルフプレー券、消防署体験ツアー、瀬戸内倉敷ツーデーマーチ参加券など、寄附者が現地で地域の魅力を実際に体験できる返礼品が多数提供されていた。
所感
倉敷市のふるさと納税の取り組みは、寄附額の確保にとどまらず、市の魅力を広く発信し、交流人口の増加や関係人口の創出にも寄与する内容となっていた。
体験型返礼品は、単なる物品の提供では得られない「地域のファンづくり」という観点で非常に有効であり、今後の本市におけるふるさと納税施策の参考になるものと感じた。
視察研修を受ける様子
倉敷市議会議場