本文
玄海原子力発電所対策特別委員会行政視察報告書(令和7年11月13日~14日)
1 参加委員
- 岡部高広副委員長
- 江里孝男委員
- 野田宗作委員
- 井手清和委員
- 山浦学委員
- 古賀博文委員
- 宮原辰海委員
- 久保美樹委員
- 松本増浩委員
- 水竹道夫委員
- 宮本悦子委員
- 楢崎三千夫委員
[注]「崎」の字は、正しくはたつさき(「大」の部分が「立」) - 山下壽次委員
- 黒木初委員
2 視察日
令和7年11月13日(木曜日)、11月14日(金曜日)
3 視察概要・所感
視察項目1:九州電力株式会社川内原子力発電所について(鹿児島県薩摩川内市)
概要
川内原子力発電所は、鹿児島県薩摩川内市に立地し、145万平方メートルの敷地を有し、1号機は昭和59年、2号機は昭和60年に運転を開始している。東日本大震災以降、約4年間の停止期間を経て、1号機が平成27年8月14日に、2号機が平成27年10月21日に発電を再開し、新規制基準に基づき初めて再稼動した原子力発電所である。
川内原子力発電所の安全対策の実施状況、特定重大事故等対処施設、さらなる安全性・信頼性向上への取り組みについての説明を受け、その後、構内の緊急用保管エリア、緊急時対策棟(指揮所)、大容量空冷式発電機、屋外タンク竜巻対策、取水口および海水ポンプエリア防水対策、放水口などを確認し、地震や津波、竜巻などさまざまな災害のケースを想定した対策が講じられていた。
所感
今回の視察では、玄海原子力発電所と同じ九州管内にある発電所として、対策内容の比較を行う目的で実施した。
活断層の状況など周辺環境の違いはあるものの、安全対策の取り組みはおおむね同等レベルで実施されていると感じた。
川内原子力発電所では、福島第一原子力発電所事故を踏まえ、外部からの電力供給を確保するため受電系統を3回線から6回線へと増強し、特高開閉所の更新も行っていた。また、1・2号機の使用済燃料プールについては共用化を予定しており、実現すれば両号機とも2031年まで運転が可能となる見込みである。
原子力発電は新たな規制基準の下で運用されており、安定した電力供給とともに、安心・安全の確保がこれまで以上に求められている。原子力発電所の運用にはさまざまなリスクが伴うが、適切な対応を継続していくことが重要であり、今後も本委員会として、継続的に注視していく必要があると感じた。

川内原子力発電所 展示館(発電所構内視察前の概要説明を受ける様子)
川内原子力発電所 展示館

緊急時対策棟(指揮所)
視察項目2:原子力災害対策について(鹿児島県阿久根市)
概要
阿久根市は人口約1万8千人で、川内原子力発電所を有する薩摩川内市の北側に位置する。
PAZ圏内には含まれておらず、市内のほぼ全域がUPZ圏内に含まれている。UPZ圏内には7市2町が含まれ、住民数は約198,143人(令和2年4月時点)である。
安全協定については、平成24年12月に30キロメートル圏内の6市町(鹿児島市、出水市、日置市、姶良市、さつま町、長島町)が締結したが、阿久根市およびいちき串木野市は当初から「立地自治体並みの協定」を求めていたため、項目調整に時間を要し、平成25年3月に締結された。
住民避難に関する輸送手段の確保については、鹿児島県内のバス協力事業者33社(保有台数約1,600台)から必要な輸送力を確保する計画となっている。県内で不足する場合や対応できない場合には、隣接県などへ協力要請を行い、国土交通省を通じて関係団体・事業者への協力要請を行うとのことであった。
所感
阿久根市は、立地自治体並みの内容を求めた安全協定を締結しており、事前説明、市の意見表明権、県の立入調査への同行、調査後の県を通じた措置要請などが盛り込まれていた。唐津市も類似した地理条件を持つことから、安全協定のあり方について検討すべき点があるのではないかと感じた。
住民避難については、計画が体系的に整理されており、避難体制が明確にされている点に好印象を受けた。一方で、避難に使用する道路については整備が不十分であるとの認識を阿久根市も持っており、鹿児島県知事・地域・議会が一体となって国土交通省や財務省に要望を行っているとの説明を受けた。
唐津市としても避難道路の整備は不可欠であり、県や玄海町、地域と連携した要望活動が重要であると改めて認識した。

視察研修を受ける様子

阿久根市議会議場










