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都市整備委員会行政視察報告書(令和8年度)
1 参加委員
- 青木茂委員長
- 宮原辰海副委員長
- 高倉寛和委員
- 山浦学委員
- 古田リバー委員
- 筒井紀充委員
- 吉村慎一郎委員
2 視察日
令和8年5月12日(火曜日)、令和8年5月13日(水曜日)
3 視察概要・所感
視察項目1:総合的な災害復旧・整備について(視察先:岡山県岡山市、倉敷市)
概要
岡山県倉敷市真備町において、平成30年7月豪雨により小田川支川を含む8か所で堤防が決壊し、浸水戸数約4,600棟、浸水深最大5メートルの甚大な被害が発生した。浸水区域では中国地方整備局のほか、関東・北陸・中部地方整備局から緊急災害対策派遣隊の応援を受け、排水ポン23台、照明車11台の24時間体制で排水作業が行われ、3日間で宅地・生活道路の浸水が解消した。その後、決壊した堤防は矢板による仮締切工を行い、約1週間で仮復旧が完了した。
小田川については、河道を整備するため平成26年度から高梁川と小田川の合流点の付替え事業に着手され、現地調査、測量、設計、耕作地や構築物などの補償などの事業が進められており、平成31年度から本工事着手の予定であった。
しかしながら、平成30年7月豪雨を受けて、国・岡山県・倉敷市で真備緊急治水対策プロジェクトを策定し、集中的に実施する河川の改修事業(激特事業)等により、集中投資と施工方法の見直しがなされ、完成目標の5年前倒しで事業が完了した。合流点の付替えの効果については令和6年に検証がなされ、小田川において約4.6メートルの水位低減の効果があった。
所感
小田川の付替え事業については災害前から事業に着手されており、現地調査や補償などの初期事業が完了していたため、災害後において本事業を速やかに行うことができ、河川堀削で発生した土砂を改良土として堤防や圃場に利用するなど、治水対策と農業基盤整備を一体的に進められた先進事例であった。
また、大規模災害時において、現場の情報が錯綜するなど多くの課題が見えたとのことであった。
本市においても浸水しやすい区域があり、初動の排水対策や復旧対策には国・県・市の連携が重要であり、導入予定である排水ポンプ車の操法訓練も非常に重要であると感じた。今後、本市においても治水・農業整備・インフラ整備を横断的に捉え、効率的な整備を行う参考となった。

視察研修を受ける様子

現地視察の様子
視察項目2:下水道管路施設維持管理包括委託について (視察先:広島県広島市)
概要
広島市の下水道管路施設は、耐用年数50年を超える管路が約1,600キロメートルあり、今後も加速度的に管路の老朽化が進んでいくと想定されている。下水道管路施設の腐食は、通常管内の硫化水素ガスによる腐食が一般的であるが、広島市では海水などの硫酸塩を含む地下水の影響により腐食が進んでおり、平成13年度から硫化水素対策事業が立ち上げられ、管更生工事を実施されている。
管路施設の維持管理の課題として、職員数の減少、老朽化施設の急増、厳しい経営環境などがあげられ、維持管理体制が危機的状況であった。現状の職員数で適切な維持管理継続を前提に、効率的かつ経済的な管理手法として適性が最も高い包括的民間委託が導入された。包括的民間委託では、維持管理に係る複数業務を複数年において包括的に民間委託するため、一元管理による業務効率化および迅速化、スケールメリットによるコスト低減などが期待できる。なお、民間委託により市は下水道管理者としての管理責任を免れたり、軽減されるわけではなく、法令に定められた責任、緊急時の判断、受託者の業務遂行能力の見極めなどが責任として残る。
次に、委託する共同企業体については、各受託者の役割と責任の所在を明確化するため、施工分担方式を採用されていた。受託者は単なる点検・調査・清掃・補修等の作業実施者ではなく、管路維持管理全体の進行管理、品質管理、関係事業者間の調整などの統括管理業務も担い、事業成果の責任を一元的に負っている。
包括的民間委託の導入により、作業迅速化などによる住民サービスの向上、点検・調査・管更生工事の一体運用による緊急事象への対応、市の苦情対応の大幅削減などに効果が上がっている。一方デメリットとして、統括管理業務については住民対応などの引継ぎに時間を要することや、支出限度額の調整などが課題としてあげられていた。
所感
全国的に課題となっている管路施設の老朽化に対し、包括的民間委託は非常に有用な手法と感じた。広島市では包括的民間委託の導入にあたり、発注者および受注者の双方が確実に対応できる業務からスモールスタートしていた。広島市全域ではなく中区エリアのみで包括的民間委託に取組まれたのは、スケールメリットがありながら、確実に対応できるエリアと想定されていたためであった。中区での取組を踏まえ、来年度には西区でも包括的民間委託を導入されるとのことであった。
また、包括的民間委託の導入前には民間事業者にアンケートや聞き取り、細かな面談によるサウンディング調査が行われており、民間事業者の理解を得られるような手法を検討されていた。また、導入にあたり疑問点などについては内閣府のPPP(官民連携)専門家派遣制度の利用や、すでに導入している自治体への相談などを繰り返しながら実現されていた。
契約についても、包括的な基本契約とは別に、数量変動等への柔軟な対応、支払事務が滞らないように業務ごとに個別契約にて管理されており、広島市の工夫が見られた。
下水道管路の維持管理は地域により手法なども異なるため、本市においてもスモールスタートで着実に実施できる範囲からのスタートや契約手法など参考となる事例であった。

視察研修を受ける様子

広島市議会議場










