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総務教育委員会行政視察報告書(令和8年度)
1 参加委員
- 宮本悦子委員長
- 岡部高広副委員長
- 大西康之委員
- 古賀博文委員
- 松本増浩委員
- 楢崎三千夫委員 [注]「崎」の字は、正しくはたつさき(「大」の部分が「立」)
2 視察日
令和8年5月14日(木曜日)、令和8年5月15日(金曜日)
3 視察概要・所感
視察項目1:小中学校体育館空調設備整備事業について(視察先:兵庫県小野市)
概要
小野市では、平成23年には兵庫県で初めて市内全ての幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校の全教室(特別教室を含む)に空調設備を導入されている。また、令和6年には近年の猛暑による熱中症対策及び災害時の避難所機能強化を目的として、大阪府岸和田市を参考に小中学校体育館への空調設備整備の事業化が決定され、同年12月から中学校を先行して実施し、令和8年5月までに市内の全小中学校(小学校8校、中学校3校)及び特別支援学校、計12校において整備が完了されている。
空調機器の選定にあたっては、導入コストを比較した結果、大風量スポットエアコンを採用されている。一般的な空調機器の場合、断熱工事、電源設備の改修工事等が必要となるため、1校あたりの導入コストが約1億円と高額になる一方、選定された機器の場合は、人が活動するエリアを大風量の冷風で冷やすため、断熱性が低くても効果を得ることができ、また、一般的な空調設備と比較して消費電力が抑制されることから、断熱工事、電源設備の改修工事等が不要となり、4分の1程度まで導入コストを抑えることができる。なお、全12校分の総事業費(設計費用及び工事費用)は約4億1,000万円で、財源には緊急防災・減災事業債が活用されている。
当該機器はフィルター交換が不要であるため、消耗品等に係る経費は発生せず、通常の維持管理経費については電気代のみである。整備完了間もないことから年間を通しての電気代総額はまだ把握されていないが、参考自治体の岸和田市においては、1校あたり年間40~50万円程度を要している。
空調設備の運転にあたっては、「小野市立学校体育館空調運用指針」において基準を定められており、冷房の場合は、稼働期間を6月1日から9月30日まで、設定温度を27度、暖房の場合は、稼働期間を12月1日から3月31日まで、設定温度を19度とされている。
現地視察を行った小野南中学校においては、室外機の設置場所との兼ね合いにより体育館の長手方向片側に6台の空調設備が設置されている。風量は3段階で調整可能で、体育館使用開始時は最大風量で運転を行い、一定程度温度等が下がった後は風量を落として運転されている。
所感
体育館の空調対策は、目的や施設の特性に応じて柔軟に選択する必要があり、体育館という大空間においては、導入コスト、将来にわたる維持管理経費を考慮すると空間全域を一律に冷却することに固執せず、人が活動する範囲を効率的に冷却するスポット空調は合理的な選択肢であると感じた。
また、近年の猛暑による熱中症対策は全国的な喫緊の課題であり、その点、小野市においては全12校の整備を1年5ヵ月で完了されており、そのスピード感は特筆すべき点である。
今回の視察では、実際に現地で空調機能が十分であることを体感でき、小野市と同種の空調設備を試験的に導入する予定の本市にとって、その有用性を確認できる大変貴重な機会となった。今後は、試験的導入の効果を十分に検証し、本格導入となれば整備計画、コスト、財源等について丁寧かつ多角的な検討を行い、事業進捗を図るべきであると考える。

現地視察(小野南中学校)

小野市議会議場
視察項目2:地域スポーツクラブ活動体制整備事業について(視察先:兵庫県姫路市)
概要
全国的に学校部活動のあり方が課題となっている中、姫路市においては、少子化に伴う生徒数の減少により単独校でのチーム編成が困難となってきていること、廃部により生徒が希望する部活を選択できないこと等を背景に「姫路市の中学生の“やってみたい”を実現」という理念のもと、学校部活動に代わり地域で展開する新たな地域クラブ活動「姫カツ」への移行が予定されている。
姫カツは、現在の部活動を地域展開した「姫カツクラブ」と、多種多様な種目や活動内容を行っている公共施設(公民館など)や民間団体での活動に参加する「姫カツ連携活動」に分類される。
姫カツクラブとは、学校部活動にある種目を中心に、市と姫カツコンソーシアムの管理・運営のもと、登録団体や各協会・連盟等からの指導により、中学校施設等を使用して実施するもので、生徒からの会費徴収、指導者への謝金支払い、保険加入手続等の運営全般を姫カツコンソーシアム運営事務局(一般財団法人姫路市まちづくり振興機構)が担っている。
姫カツクラブにおける指導者確保のため、市は「姫カツクラブ指導者バンク」を直接運営し、指導者として個人で参画を希望する人と登録団体とのマッチングを行っている。令和8年3月時点で26名が登録されており、その約3割が兼職兼業の許可を得た教職員ということである。
姫カツ連携活動とは、すでに地域で活動している公共施設や民間団体での活動で、国のガイドラインに沿った活動を姫カツ連携活動として登録し生徒へ案内するもので、これまで部活動の種目にはなかった多種多様な種目の活動に参加することが可能となっている。令和8年4月28日までにバドミントンやダンスなど432活動が登録されている。
姫カツの運営団体である姫カツコンソーシアムは、姫カツを円滑かつ持続的に進めるために設立された、行政・学校、スポーツ・文化芸術団体、トップスポーツチーム、民間企業、大学など18団体が参画する官民連携の共同事業体で、「オール姫路」で姫カツを支える体制となっている。
令和4年から始まったこの取組みは、令和8年9月からは休日の学校部活動を原則終了し、休日の活動は自分が所属する部活動と同じ種目や、違う種目を含めて姫カツクラブや姫カツ連携活動、クラブチーム等の様々な地域の活動から自分がやりたい活動を選択し参加することとなり、令和10年10月からは休日を含めた全ての部活動が姫カツへ移行する予定となっている。
所感
姫路市では「部活動の代替」という発想ではなく、地域全体で子どもの成長を支える仕組みづくりに先進的に取り組まれていくことに大変感銘を受けた。特に、学校だけではなく地域団体や企業、大学など多種多様な団体が連携し、持続可能な活動環境の整備を図っている点が印象的であった。
また、単なる部活動の地域移行ではなく、生徒一人ひとりが興味や関心に応じて公平に多様な活動を選択できる環境づくりを目指している点に大きな意義を感じた。これにより、子どもたちの可能性を広げるとともに、地域とのつながりを深める効果も期待できると考える。
一方で、指導者の確保や育成、活動場所・移動手段の確保、中体連との調整など様々な課題もあり、継続的な運営に向けた検討も必要であることも認識することができた。
今回の視察を通じて、子どもたちが将来にわたり豊かなスポーツ・文化活動に親しめる環境を維持するには、学校だけでなく地域全体で支える体制づくりが重要であることを改めて実感した。本市においても、地域の実情に応じた持続可能な仕組みづくりに向けて、姫路市の先進的な取組みを参考にしていきたい。

視察研修を受ける様子

姫路市議会議場










