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更新日:2023年9月22日
種別 | 佐賀県重要文化財(建造物) |
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所在地 | 唐津市本町1513番地15 |
時代 | 明治45年(1912) |
指定年月日 | 平成29年4月11日 |
別称(施設名) | 旧唐津銀行(辰野金吾記念館) |
旧唐津銀行本店は、明治45年(1912)に建設された煉瓦造の銀行建築で、設計は清水組の田中實です。田中の恩師で、唐津出身の建築家、辰野金吾が監修したと言われています。
建物は構造体を煉瓦造として外装にタイルを張り付けた初期の事例で、煉瓦からタイル張りへと移行する過渡期の作品として評価されています。外観にはいわゆる「辰野式」の建築表現が用いられていますが、通りに面する壁面を白い色モルタル壁で覆う点や連続する半円形アーチで飾る意匠は、辰野が建築家として活動した前期と後期の建築様式の融合を図るとともに、壁面にリズムと華やかさを加えた田中のデザイン力がうかがえます。
また、内部意匠には曲線を用い、柔らかく斬新なデザインに時代の先取性もうかがえ、マントルピースの意匠や二階貴賓室の装飾は特に優れています。
旧唐津銀行本店は、煉瓦造の銀行建築として県内に唯一現存するもので、辰野金吾が関わった郷里に残る建物として価値を有しており、田中實による時代の先取性と独自の意匠がうかがえるとともに、現存例の少ない田中の最初期の作品として希少性も高い建物です。建物の保存状態も良好で、唐津の近代化を支えたシンボル的建物として、また街のランドマークとして都市景観にも大きく寄与しています。