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更新日:2022年7月25日

都市整備委員会行政視察報告書(令和4年度)

1参加委員

江里孝男委員長、伊藤一之委員、山下壽次委員、水上勝義委員

2察日

令和4年4月18日(月曜日)、4月19日(火曜日)

3視察概要・所感

視察項目1:みちピカ事業、みち花ふれあい運動事業、パークアドプト事業について(視察先:徳島県徳島市)

概要

徳島市は徳島県の東部に位置し、吉野川とその支流がつくり育てた三角州に発達した人口約25万人、面積191.39㎢の都市で、徳島県の県庁所在地となっている。

そのような徳島市では、アドプト事業(アドプトとは、養子にするという意味で、一定区間の公共の場所を養子にみたて、市民がわが子のように愛情を持って面倒を見て、行政がこれを支援する制度)として、平成18年度から「みちピカ事業」「パークアドプト事業」、平成20年度から「みち花ふれあい運動事業」を行っている。

「みちピカ事業」については、道路愛護団体が自発的意思により徳島市管理道路の一定区域の清掃を行い、市はその活動を支援することで、道路環境美化、愛護意識の高揚、マナー向上を啓発するもので、参加団体は令和3年度、89団体(企業63、学校4、地域・自治会22団体)2,632人となっており、危険が少ない、道幅が広い道路での手作業による草刈りや清掃が行われている。

「みち花ふれあい運動事業」については、市が管理する道路沿いの花壇や利用されていない道路用地において、市民団体などが行う草花植栽・管理などの活動を市が支援し、道路環境の向上や愛護意識の高揚を目的としている。参加団体は、1団体(8人)となっており、商店街周辺で活動を行っている。

「パークアドプト事業」については、市が管理する公園および緑地の除草・清掃活動を行うボランティア団体などを市が支援することで、公園などへの美化意識・愛護心の啓発を図るもので、参加団体は令和3年度、37団体(企業16、自治会3、NPO16、学校2団体)、年間参加人数は延べ2,000人となっており、中心市街地の22公園を清掃、手作業による草刈り、草花の管理を行っている。

所感

いずれの事業についても、維持管理費などの削減効果については、検証できていないとのことであるが、市が主導するのではなく、各参加団体が自発的意思のもとに活動することで、道路・公園への愛護意識が高まり、利用者のマナー向上につながっている点では優れた取り組みである。

まちの景観美化につながるのはもちろんのこと、清掃活動などを通して地域の人たちが交流を深めたり、高齢者の活動の場となったりと幅広い世代の人が活躍することで、まちの活性化にもつながるのではないかと考える。

また、子どもたちがこのような事業に参加し、大人と一緒に活動することに意義があり、地域の人たちとの関わりなどを通して、地域や市に愛着を持ってもらうこともねらいの一つであり、重要なことだと感じた。

参加団体数の伸び悩みや団体会員の高齢化、コロナ禍による活動自粛など事業継続にあたっての課題はあるようだが、唐津市においても、アドプト事業については、市民協働の有効な手段の一つとして参考としたい。

視察の様子(徳島市議会) 徳島市議会議場

視察の様子

徳島市議会議場

視察項目2:たかまつマイロード、公園愛護会について(視察先:香川県高松市)

概要

高松市は、瀬戸内海に面し、人口約41万人、面積375.54㎢の都市で、四国の中枢管理都市として発展を続けてきており、香川県の県庁所在地となっている。
高松市においても、徳島市同様にアドプト事業として、「たかまつマイロード」「公園愛護会」といった、地域住民団体や企業、学生などによる市道および公園の管理が行われている。

「たかまつマイロード」については、道路の一定区間を定めて、清掃などの道路管理を自治会、企業などの団体がボランティア活動として行い、道路利用者のマナー向上の啓発を目的とするもので、令和3年度の参加団体は、127団体(企業51、地元団体58、NPOなど6、学校12団体)となっている。作業内容は、清掃や手作業による草刈りを行っているが、100mの区域設定と年2回の清掃・除草活動、2年以上の継続という条件があるとのことであった。

「公園愛護会」は、公園に隣接する自治会、町内会、子ども会、老人会、その他の有志などにより自主的に結成され、市民の手で公園を美しく守ろうとする団体で、現在158団体22,229人が活動を行っている。市が自主的な活動を支援することで、公園などの美化の推進や公園愛護意識の高揚を図ることを目的としている。作業内容は、公園内の清掃、除草・簡単な剪定などを行い、希望団体のみトイレ清掃や芝生の維持管理も行っている。唐津市においても、旧市内の中心市街地で高松市同様に公園愛護会制度を実施している。

所感

徳島市同様、維持管理費などの削減効果については、検証できていないとのことであるが、たかまつマイロードは事業開始から20年、公園愛護会は50年が経過しており、地域における継続的な取り組みとして定着している印象を受けた。

唐津市においても公園愛護会制度を実施しているが、旧市内の中心市街地に限ったものであり、全市的に広げて実施するとなると報償費などの増額が予想される。また、旧郡部の市道においては、地元との業務委託契約により除草などを行っているため、行政の支援が道具などの支給・貸与、保険の加入程度であるアドプト事業を実施するには、課題があると考える。

しかしながら、環境美化にとどまらず、地域への愛着心の高揚、地域コミュニティの形成など多面的な効果が生まれ、活気ある暮らしやすいまちづくりにつながることが期待できる事業であるため、今後の公園・道路の維持管理の手法の1つとして参考にすべきである。

まずは、「自分たちの街は自分たちの手で美しくする」という住民意識の向上が重要であると考える。

視察の様子(高松市) 高松市議会議場

視察の様子

高松市議会議場

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