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更新日:2023年2月13日
こんにちは。唐津市水産業活性化支援センターの村山です。
唐津市では、平成24年度から九州大学と共同研究で、「新水産資源創出研究プロジェクト」に取り組んでいます。このプロジェクトでは、水産業の活性化と地域の活性化を目指して、唐津市の相賀にある唐津市水産業活性化支援センターで、マサバなどの完全養殖技術の開発、ケンサキイカの先端的研究、バイオ水産技術の開発を行っています。
このうち、マサバの完全養殖プロジェクトについて、平成26年11月発行の市報で、研究内容とそれまでの経過をお知らせしましたが、今後はプロジェクトの進ちょく状況などについて、水産業活性化支援センター便りとして定期的にホームページでお知らせします。
最も研究が進んでいるマサバを中心に、現場の状況をなるべくわかりやすくお伝えしたいと思いますので、よろしくお願いします。
唐津市水産業活性化支援センター(以下センター)では、平成27年度のマサバ種苗生産技術開発が始まりました。
マサバの完全養殖プロジェクトでは、人工種苗由来の親から卵を採って、それをふ化させて稚魚まで育てた後、養殖業者さんに渡して大きく育ててもらいます。
マサバ完全養殖プロジェクトの技術開発のための準備が5月から始まりました。準備としては、まずはふ化した仔魚(しぎょ)の餌として、ワムシというプランクトンをたくさん飼育することから始まります。
ワムシは1日に数億個与えるので、膨大な量を準備をします。
センターでは、左の写真のような、角型2立方メートル水槽6面を使用してワムシを飼育しています。
次は、昨年秋から飼育していたマサバの親の雌雄を判別します。左の写真は雌雄判別作業の様子です。
雌雄判別をした親は別々の水槽で飼育しますが、このとき雌雄の数を一定の比率でそろえて水槽で飼育し、成熟させます。
卵は1日から2日ほどでふ化します。ふ化後は水温にもよりますが、36時間から48時間ほどで餌を食べ始めるので、準備していたワムシを与えて飼育を開始します。ふ化後約1か月半ほど経過すると、養殖場に出せる7cmから8cm程度の大きさに成長するので、養殖場に運び試験養殖を始めます。
続きは次回以降にお知らせします。
ふ化からしばらくの間は、ひれなどが不完全な状態で、親とは異なる形態をしていることが多く、この時期の魚を仔魚といいます。左の写真は、仔魚の写真です。
ひれなどの形態が親と同じになった魚を稚魚といいます。
農業でいう種や苗と同様のもので、漁業で養殖をしたり放流をするための稚魚を種苗といいます。
養殖をしたり放流をするための稚魚を、親から卵を採って育てた場合に人工種苗といいます。
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