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更新日:2022年4月1日
こんにちは。唐津市水産業活性化支援センターの村山です。
唐津市では平成24年度から九州大学と共同研究で「新水産資源創出研究プロジェクト」に取り組んでいます。
このプロジェクトでは、水産業の活性化と地域の活性化を目指して、相賀の水産業活性化支援センターで、マサバなどの完全養殖技術の開発、ケンサキイカの先端的研究、バイオ水産技術の開発を実施しています。
今回は昨年生まれのマサバが大きくなり、今年度の出荷が始まりましたので、その様子とケンサキイカの飼育について紹介します。
出荷を開始したのは昨年5月に採卵・ふ化させ、センターで7月下旬まで育てた後、高串の養殖場で飼育していたマサバです。約8cm、10gのマサバも、現在では約400gになり、大きいものから出荷をしています。
このほかに唐津湾でも養殖を実施していますが、こちらは夏場に赤潮の被害を回避するため餌の投与量を抑えた影響で、少し成長が遅れています。こちらも10月の下旬ごろには出荷可能な400gサイズに成長する見込みです。
現在、高串から出荷されたマサバは呼子鎮西旅館組合加入の旅館に運ばれ、活魚料理として提供されています。
呼子鎮西旅館組合では、昨年から「サバ活フェア」と銘打って、9月から翌年の6月の間でこのプロジェクトのマサバを使用した料理を提供していただいています。
主なお客様は県外からの宿泊客で、大変好評でしたが昨年は途中で品切れになり、問い合わせへの対応が大変だったようです。今年は出荷尾数が増えるので、さらにたくさんのお客様に提供していただけるものと期待しています。もちろん、宿泊以外のお客様にも料理を提供していただけます。
今年は唐津市管内の飲食店でも、唐津の養殖サバを使った料理を提供していただけるようにしたいと思っています。市民のみなさんに気軽に食べていただくことで、そのおいしさを実感していただき、周囲の方々にも唐津の養殖サバのおいしさが認知されることを期待しています。
このプロジェクトの大きな目的の1つに「唐津の養殖サバを目当てに唐津を訪れるお客様を増やす」ということがあります。
この実現のために、福岡でも試験的に料理を提供して唐津の養殖サバのおいしさを知ってもらい、「唐津に行って食べたい」と思ってもらえるような状況をつくりだすことを目指します。
皆さんは、呼子イカとして有名なケンサキイカが料理屋さんのいけすや水槽で泳いでいるのを見たことがありますか?
漁獲されたケンサキイカは、活け造りとして提供されるまではいけすや水槽の中に収容されますが、実は生かしておくことができる期間は数日間が限度なのです。原因として、水槽の壁に衝突してけがしたり、イカ同士で傷つけあったりすることが挙げられます。
水槽の中で長くイカを飼育することができれば、水揚げ量の少ない時期や、天候不良で漁が行われない期間でも、安定して活け造り料理を楽しむことができるようになります。
水産業活性化支援センターでは、イカを水槽で長期間にわたり飼育するための技術開発試験を始めました。イカが水槽の壁に直接衝突してけがをしないように、スリットを設けた水槽で試験を行います。
さて、この水槽の中でイカを何日飼育することができるでしょうか。
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