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更新日:2023年8月14日
こんにちは。唐津市水産業活性化支援センターの村山です。
唐津市では平成24年度から九州大学と共同研究で「新水産資源創出研究プロジェクト」に取り組んでいます。
このプロジェクトでは、水産業の活性化と地域の活性化を目指して、唐津市相賀の水産業活性化支援センターで、マサバなどの完全養殖技術の開発、ケンサキイカの先端的研究、バイオ水産技術の開発を実施しています。
今回は、プロジェクト開始から、これまでの活動を振り返りたいと思います。
唐津市は活力の低下が心配される水産業の活性化と、観光資源の創出による市全体の活性化を図るために、以前から協力関係にあった九州大学と協力して唐津水産業活性化支援事業に取り組むこととし、平成23年に協定を締結しました。この協定に基づいて新水産資源創出調査事業を行い、翌年から始まる共同研究の内容、現状とニーズの把握、必要な施設、機器などの調査を行いました。
そして、平成24年度から九州大学との共同研究「新水産資源創出研究プロジェクト」を開始しました。
プロジェクトは、
を目的として5つの研究課題を設けました。
この中で、完全養殖プロジェクトではマサバ、ウマヅラハギ、マアナゴの3種を対象種として取り上げていますが、産卵時期が重なり、水槽の数の制限や人員の制限から、まずはマサバの完全養殖に取り組み、これを地元に定着させてから次に進めることとしました。
結果、平成24年度からマサバの完全養殖プロジェクト、ケンサキイカの繁殖に関する先端的研究、次世代型バイオ水産技術開発プロジェクトがスタートしました。
新しい養殖魚種としてマサバの完全養殖技術を開発し、日本で初めて商業ベースで販売することに成功しました。
完全養殖の技術は平成26年に完成し、平成28年には「唐津Qサバ」と命名、30年には「唐津Qサバ」の商標登録を完了しロゴマークを作成しています。
この唐津Qサバには、完全養殖ならではの次のような特徴があります。
市や九州大学、漁協、漁業者や県など関係者は協力して、呼子のイカのような観光資源に育てるための活動を実施しています。
世界的に権威ある学術誌に掲載される
この8年間でそれぞれのプロジェクトで世界に先駆けた研究成果が得られ、その結果をそれぞれの分野で世界的に権威のある学術誌に投稿し、掲載されました。論文の名称等は以下のとおりです。
このうち1.ではその内容を評価され学術誌の表紙を飾っています。また、3.ではその功績により学術誌の編集委員として招へいされました。今後、さらに5件の投稿を予定しています。
また、この他に国内外の学会において多くの発表を行っており、その数は8年間で60件を超えています。
なお、それぞれのプロジェクトの研究内容等については、今後のセンター便りでご紹介したいと思います。
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